ニュースファイル News File 行政 生活支援ロボットの製品化を後押し 独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」は、介護や家事に使える生活支援ロボットの開発を後押しするため、安全基準の確立と国際標準化をめざすプロジェクトをスタートした。 プロジェクトの対象になるのは、障害者や高齢者の歩行を補助するためのロボットスーツや自走式掃除ロボット、ベッドと車いすを一体化した介護用移動ロボットなど。NEDOが、日本自動車研究所や日本ロボット工業会などに安全性検証に関する研究を委託した。 人々の生活支援が期待されるサービスロボットの実用化に最大の課題となる安全性について、今後五年間で検証と基準の確立を行い、さらに国際標準獲得をめざす。 総務省 障害者向け字幕放送、拡充 総務省の取りまとめによると、二〇〇八年度の総放送時間に占める字幕放送時間の割合は、NHK、在京キー五局平均および在阪準キー四局平均が前年度より増加し、拡充が進んだ。 総放送時間に占める字幕放送時間の割合は、アナログ放送でNHK総合が四九・四%、在京キー五局が四二・三%、在阪準キー四局が三七・五%、デジタル放送でNHK総合が四九・五%、在京キー五局が四四・三%。在阪准キー四局三八・四%となっている。なかでも実施率が最も高かったのはフジテレビジョンのデジタル放送で、五〇・八%だった。 地方の動き 千葉 携帯用プレーヤーでの貸し出し開始 千葉県立図書館では、視覚障害者など活字による読書の困難な人に対して、録音図書を携帯用プレーヤー「iPod」やSDカードに収録して貸し出すサービスの試行を始めた。 著作権法の改正により、来年一月から図書館による障害者向けの録音図書作成が容易になるが、iPodは軽くて操作が簡単で、たくさんの情報を入れることができる。 生活情報 邦画に字幕や音声配信 聴覚障害者や視覚障害者に邦画鑑賞を楽しんでもらうため、電子データ化した字幕や音声ガイドを配信するNPO法人「メディア・アクセス・サポートセンター」が発足した。今年度は約一〇〇作品を提供する予定。 同センターは、映画会社などと協力して字幕や音声ガイドを電子データ化、インターネットを通じて配信する仕組みを広げる。 障害者は、家庭のパソコンでDVDソフトやネット配信の映画を見る際に、字幕などのデータを取り込んで視聴することができ、また映画館でも障害者が携帯用の端末機器を使って無線データを受信、上映中の映画の字幕などを見ることができるよう設備の普及を進める。 動画配信に字幕機能を追加 「エビリー」(東京都)は、法人向け動画配信プラットフォーム「milvi(ミルビィ)」に、動画上に字幕を表示できる機能のオプション提供を開始した。 milviは動画サイトの作成からコンテンツ管理、動画視聴分析などの機能を備える。今回の字幕機能は、動画を再生しながら、字幕言語を選択・表示でき、字幕を使って動画の内容を補足的に視聴者に伝える。milviの価格は初期費用一五万円から。月額費用五万円から。字幕機能のオプション利用料は三〇万円。 デジタルブック作成に 音声読み上げ機能 「コベック」(東京都)は、開発販売を行っている「Wisebook2(ワイズブックツー)」に自動音声読み上げの新機能を追加した。 「Wisebook2」はデジタルブックを作成・配信することができるサーバーソフトで、本や雑誌、商業印刷物をそのままデジタル化しWEBやCD―ROM上で閲覧できる。自動音声読み上げ機能は、ボイスコントローラーを搭載し、デジタルブックのページをめくったときに文書を読み上げたり、マウスを使わずにページを自動的にめくったりすることができる。 障害者への電話応対力向上を コンサルティングなどを手がける「パステルラボ」(石川県)は、目や耳に障害のある人や高齢者からの電話応対方法をパソコンで学べる、コールセンターのオペレーター向けのeラーニング講座「e―pastel(イーパステル)」を始めた。 利用者はインターネットを介して、同社のサーバーにアクセスし、講習を受ける。講座は基礎編から始まり、電話応対する女性オペレーターに、鳥のキャラクターがアドバイスする形式で進行。コミュニケーションに必要な一〇項目のポイントごとに説明する。 チェック編では、各ポイントについて質問形式で理解度を確認し、具体的な対処方法も学べる。受講料は一人一九八〇円で、三カ月間有効。学習後のフォローアップとして、実践能力を高めるための集合研修も受け付ける。 東京 高次脳機能障害の電話相談開始 高次脳機能障害者の社会参加を支援するNPO法人「VIVD(ヴィヴィ)」は、「高次脳機能障害なんでも相談」の電話相談を開始した。 新宿区との協働事業「高次脳機能障害者の生活サポート事業」の一つで、受付は毎週木曜日一三時から一五時。専用電話番号は〇三―六三八〇―二〇一五。 働く 愛知 障害者作業所を新設 日東電工の特例子会社、「日東電工ひまわり」は障害者雇用を拡大するため、同社内に作業所を新設した。 従来の粘着テープの加工業務や印刷業務に加え、日東電工の国内事業所で使用されているクリーン服や靴のクリーニング業務を行う。 神奈川 障害者雇用の物流子会社設立 ジュニア向けのブランド「ナルミヤ・インターナショナル」(東京)は、障害者雇用を目的とした子会社「ナルミヤ・ワンパ」(川崎市)を設立した。 商品の仕入れ、仕分けなどの梱包および発送業務、商品の保管、管理、運送および物流業務を行う。特例子会社の認定取得の予定。 開発 カメラで撮影した文字をパソコン出力 大阪府立大学大学院の岩村雅一助教らの研究チームは、カメラで撮影した文書の記述などを、リアルタイムでパソコンに出力する高速の文字認識技術を開発した。 一秒間に二〇〇〜二五〇文字を認識、斜め約四五度の位置から撮影した画像でも、文字の形を修正しつつ八〇%以上の認識率で読み込む。実時間で動作する翻訳システムや、視覚障害者に対する音声補助などの広範な応用を見込む。 本紹介 「手話の世界を訪ねよう」 文化人類学者で手話通訳士の亀井伸孝さんが、手話を言語の一つととらえて、ろう者たちの持つ豊かな文化世界に案内する「手話の世界を訪ねよう」(岩波ジュニア新書)を出版した。 目次は、手話ですべてが進んでいく世界/手話という目で見る言語/ろう者のさまざまな文化/少数言語としての歴史/世界の手話とろう者たち/音声言語と手話の共存をめざして。各章のコラムでは、文化人類学で使われている用語についても解説。文化人類学として手話世界を理解するための一冊。新書判二四〇ページ。八一九円。 「発達障害 境界に立つ若者たち」 ミュージシャン、イラストレーターで、発達障害児たちの私設学校で美術・英語などを教える山下成司さんが「発達障害 境界に立つ若者たち」(平凡社新書)を出版した。 たとえば一〇〇・一・二は簡単にできても、一二〇・一・二は間違えてしまう。漢字の書き取りでは何かが抜けたり、漢字が読めなかったりする。空気が読めない……。一見、ごく普通の子だから、学校や職場に居づらくなってしまう。一八年間、現場でかかわってきた著者が本人たちにインタビュー。 目次は、「はざまの子」のためのもうひとつの学校/見かけはごく普通なんだけど/わたし、KYなのかも/「普通」と「障害」のはざまで/どうしても普通免許がとれない/障害をまるまる「個性」と受け止めて、など。新書判二四六ページ。七七七円。 その他の情報 障害者権利条約に署名 米政府は、全世界の約六億五千万人の障害者に雇用などで健常者と同等の権利を保障する障害者権利条約に署名した。ブッシュ政権は同条約が国内法の効力を弱めるなどとして署名を拒んでいた。 同条約は二〇〇六年一二月の国連総会で採択され、〇八年五月に発効。署名国は米国を含めて一四二で、批准国は六一。日本は〇七年九月に署名したが、未批准。