2015年3月号
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16働く広場 2015.3その日の朝は大雪だった。練習のため福島市郊外、福島大学陸上競技場に集合した東邦銀行陸上競技部のみなさん。まず競技トラックの雪かき。1周400mトラックの1レーンを、部員が手分けして雪を取り除いていく大変な作業。このなかに、視覚障害者で、国内トップクラスの選手として障害者陸上競技に挑む佐藤智美さん(24歳)がいる。佐藤さんは、市内に本店を置く東邦銀行に2014年8月に入行し、人事部厚生課に勤務する。昨年10月、韓国・仁インチョン川で開催された「2014アジアパラ競技大会」の日本代表で、「100m(視覚障害者T13クラス)」の銀メダルに輝いた。東日本大震災から4年、東邦銀行の支店は現在福島県内に105店、被害も大きかったが、本店はいまそれを感じさせない。二本松市に生まれ育った佐藤さんと陸上競技との出会いは、福島県立盲学校の中学2年生のとき、東北6県の地区大会で「100m」で1位になったこと。「陸上競技を趣味でやっていきたい」と考えた佐藤さんを積極的に「ハンディキャップがあっても、やりたいことをやりなさい」と背を押し、応援してくれたのは両親だった。高等部に進学したが陸上部がなかったので、友人たちとスポーツクラブをつくり、毎日、校庭でトレーニングに励み続けた。卒業後はパンの製造・販売の「まちなか夢工房」に就職し、競技も続けてきた。「もっと速く、強く、走りたい」との思いから、以前から指導を受けていた川本和久氏(福島大学教授・東邦銀行陸上競技部監督)の推薦・紹介で、東邦銀行に入行した。いまの目標は、「100m」日本記録13秒28の更新と、2016年リオデジャネイロのパラリンピック出場だ。「なんにでもトライして、可能性をのばしていきたい」と力強く話す佐藤さんだ。上司の岩橋厚生課長の指示を受ける東邦銀行本店明るい性格で、職場での評判もいい休憩時間、同僚たちと楽しいおしゃべり

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