2015年3月号
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2働く広場 2015.3今回は、発達障害のある方たちが働くことについて、自閉症をはじめ発達障害のある方との30年余りの関わり合いのなかから、いくつかの視点で書かせていただきます。発達障害について発達障害は、発達機能の一部に障害が認められ、人生の早い時期に症状があらわれるものです。2005(平成17)年4月に施行された発達障害者支援法によりその範囲が示されています。例えば、非言語性(表情やジェスチャー)を含む社会的コミュニケーションおよび常同的行動や狭い関心から示される行動特徴のある自閉症スペクトラム障害、全般の能力には問題がないのに、読み書きなどの一部の学習面に強く困難を示す学習障害、そのほかに、話すことの困難や、運動面、不注意や多動といった行動面の一部の発達機能に強く特徴を示すものなどです。これらは、全般的能力障害や思春期以降に生じやすい精神科症状、中途に起きる障害と異なるものです。しかし、人により併せ持つ方もおり、知的障害を伴う自閉症などはその代表的な例です。また、障害とは異なるものの、少し似ているように見える特徴のある方は一般の人の中にも少なからず存在しますし、ほかの障害においても、認知機能面の一部に似た症状があり、特に成人期になるとその判断はむずかしい場合が多くなります。働くこと発達障害のある方の場合は、それぞれの症状・特徴は異なるものの、小さい頃からその特徴があらわれ、大人になってもその特徴を持って職業生活や家庭生活を送ります。成人になると、個々の力に応じてさまざまな働き方をしています。例えば、学習障害のある方の中には、自身の特徴を受け止め、周囲の理解を得ながら通常の雇用で活躍される方がいます。より対人面や環境面の配慮を必要とされる方の場合は障害者雇用で、一般の企業や特例子会社で活躍される方が多数存在します。重度の知的障害や精神障害を伴う方などは、障害者福祉事業(施設など)で福祉就労をされている方もたくさんいます。成人期では、働くことはとても大切な生活サイクルの役割を持ちます。それぞれの特徴や状況に応じて、さまざまな働く場が存在すること、働く機会が広がることはとても大事なことだと思います。個々にあう仕事と配慮「発達障害のある方の適職とは何ですか」と時おり聞かれることがあります。しかし、発達障害という範囲では広すぎるので、「それは一人ひとり異なります」と答えざるを得ません。実際に、私が携わった事業を通じ、障害者雇用として就職された方の例をあげてみます。設計などの専門的な分野で就職された方、事務補助やOAワークといった事務的な仕事に就かれた方、製造や倉庫の管理、清掃などの実務的な仕事に就かれた方などさまざまです。ご相談をいただく方たちは、大埼玉県発達障害者支援センター「まほろば」センター長藤平俊幸働くこと、それを支えること●特集1● 発達障害者が働く職場

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