2015年3月号
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6働く広場 2015.3で、私たちも一緒に余暇活動を楽しみながら、仕事を頑張っています。仕事が楽しいと思えるようにお手伝いできればと思います」障害者の人たちは勤続年数が長く、ベテランが多い。何か困ったときに支援することが、指導員の役目だそうだ。「できることはすごくほめる、できないことはもうちょっと頑張ってみようとか、やり方を変えたりして、1人ひとりに合わせて、できることを増やしてきました。できることが増えて本人の自信につながるようにと考えています」震災後は、よく声がけをするようになったという。「少しでも揺れると不安になる人は、すぐ近くに寄り添える人がいると安心できると思います。障害のある人たちは、安心感が団結につながるのではないかと思います。団結力は強まりましたね。安全と安心を第一に、日頃から安全を確認しながら逃げる練習をしたり、危なくなったらこうしようねと話をしています」 加藤社長も、震災が従業員の連帯感を強めたと考えている。「格好よくいうと会社の連帯感。会社は1つだなと思いました。同じ方向を向いてみんな頑張っていると再認識できたのが一北福祉大学の卓球部で練習する選手です」と加藤さん。「もっと強くなるには、そばにコーチがつくことが必要」とのアドバイスを受け、東北福祉大卓球部のキャプテンだった松田亜由美さんを指導員としてスカウト。松田さんは、アジアパラリンピックの卓球の知的障害女子部門の監督を務めた。「福祉の勉強はしていたので、仕事に興味はありました。木村さんはまだまだ伸びると思います」 指導員の菅原ひろみさんは1998年から勤務する。サービス管理責任者、障害者職業生活相談員の資格を持ち、いまは実家のある栗原市から車で1時間半かけて通勤している。「これまで一緒に働いてきたみんなと震災後も働き続けたいという思いが一番です。この仕事を頑張ると、この楽しみが待っているという感じ「安心感」が団結力に「リスク管理」は、しすぎることはない番大きいです。うちはクリスマス会などの余暇があってこその会社なのですが、まとまりがさらに強くなりました」震災の経験から他企業へメッセージを送る。「リスク管理は大事です。準備していたとはいえ、危険度チェックは甘かったと思います。私は出かけていて、工場は大丈夫だと思っていたのですが、蒸気が吹きあがり、天井を突き破ってブロックが落ちました。従業員は毛布をかぶって、トレーニングどおり外に避難していましたが、雪が降ってきて寒かった。特に知的障害の人は愛社精神があり、一生懸命頑張ってくれて、本当に力になりました」幸い、倒れなかった中2階の5トンタンクを1階に移し、工場内を再点検した。震災を機に考えを改めたこともある。「障害者もグループワークで情報共有をしていないと、だれかが休むと仕事がスムーズにいかなくなると思いました。障害者は長く働いているので、『この仕事は自分の担当だ』という意識がありますが、能力のある人ほど同じ仕事を続けると飽きてくるので、人事異動は刺激があっていいのではと思い始めています。震災がなければよかったと思ってもキリがないので、震災は、会社と人を考えるチャンスになったと思っています」このように、前向きに新たな一歩を歩み出している。菅原ひろみ指導員卓球の指導にもあたる松田亜由美さん

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