働く広場2015年9月号
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8働く広場 2015.9こちらが努力しないとコミュニケーションは成立しないと教えられました。チームワークが大切なことも教えてくれました。業績への貢献度は、IQ(知能指数)は最大25%、厳しい分析では4%に過ぎないそうです。業績の最小で75%、最大で96%は心の問題。EQ(感情指数)で仕事をすることが大事だとも教えられました」 1日に炊くお米は600キロ。炊きあがったご飯に酢を入れて、大きいしゃもじでかき混ぜて冷やし、成型機に入れると、すしの大きさになって8個ずつ出てくる。ネタを乗せて、柿の葉を乗せる……。以前は21時から朝6時までだった製造時間は、従業員の負担を考え、今年4月から15時からに変更した。15時からの製造のラインには、障害者の正社員3人が入っている。午前中は清掃業務が中心で、9時から13時まで洗い物、機械の分解、掃除、消毒殺菌、組み立てをして、製造に備える。通販の柿の葉すしのみ、到着翌日昼までの賞味期限になるよう、昼間に製造し、夕方発送している。川田文やす己みさん(37歳)が、鯖の骨を抜く。作業は細かい。同じ職場の班長はパートの人たちで、全員が障害者職業生活相談員の資格を持つ。精神障害を持つ木村司さ齢者の雇用は続いた。製造現場では、1つの仕事に長時間集中するのはむずかしいと、4時間勤務でシフトを組む。週4~5日出勤の人が多く、1日の勤務時間は本人の希望優先という雇用条件に、パートの勤続年数は長い。週3日働く高齢者もいる。まちまちな働き方で、それぞれの班長がシフトを組むのが大変そうだが、問題はないそうだ。  貴世満の人たちは25歳から59歳。平均年齢40歳で、平均勤続年数は10年6カ月になる。正社員5人のほか17人が雇用保険に加入している。勤務体制も、体調に合わせて柔軟だ。統合失調症が再発し、今年前半に半年間入院した人は、少しずつ勤務日数を延ばしてきた。滝沢さんが、「社長は、初めのうちは無理しないで、週1回でもいいといいました。彼は『鯖棒鮓』の成型機をばらして整備するのが一番うまい。いまは週3日4時間勤務で、頼りにされています」と教えてくれる。給料は、最低賃金の時給でスタートし、評価によって昇給する。10年以上勤続の身体障害者は、現場から総務課長に異動した。「貴世満の人たちは、給料をもらう社長は絶対。社長に悪いことをしてはいけないと思う。高齢者は力、視力、スピードは落ちますが、95%の人は社長に感謝の念で仕事をしていると思います。帰属意識は愛社精神につながります。『あじみ屋』を愛する気持ちが強ければ強いほど、よりよい商品を作りたい、お客さまによりよいサービスをしようと思うはずです」と滝沢さん。2006、2007年の2年間で障害者を12人から30人にふやそうと社長にいわれ、滝沢さんは、地元の南河内北障害者就業・生活支援センターに協力を求めた。松原、羽は曳びき野の、藤井寺の3市在住で働けそうな人を紹介してほしいと依頼し、職場実習を受けていた特別支援学校の卒業生も採用して、32人になった。滝沢さんを第1号に、障害者職業生活相談員の講習を受けた12人が障害者をサポートしている。「正社員の数は少ないのですが、かなり強い会社組織になっていると思います。高齢者と障害者が寄与しているのは間違いありません。1+1が2以上になっています」過去に「大阪府ハートフル企業大賞」、当機構の「高齢者雇用開発コンテスト」で理事長表彰・優秀賞を受けた。社長は本業に専念し、外部の会合には出席しない。滝沢さんが、ハローワーク、商工会議所などの集まりや講演を引き受けている。「貴世満の人たちは、常にコミュニケーションを発しているのです。何を考えているのか、何をいいたいのか、どうしたいのか、障害者+高齢者が会社組織を強くする障害者と高齢者が共生する職場さばの骨抜き作業をする川田文己さん

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