働く広場2015年9月号
23/36

21働く広場 2015.9して地域包括支援センター※2や社会福祉協議会からもメンバーが参加して、2カ月に1度の割合で開催された会議では活発な意見交換がされた。これまではお互いの存在を知りながらも一堂に会して話し合いが持たれることはなかったために、このプロジェクトチームの存在は大きく、プロジェクト終了後も同様な会議を継続していく予定だ。「カフェレストラン ヴイ長屋」は空き店舗を改造して昨年7月から運営を始め今年3月まではプロジェクトの一環として週3日開店し、ランチやお茶セットなどを提供してきた。地域の高齢者が立ち寄り、出会える場所の提供と、栄養バランスの良い食事を提供することで高齢者の健康促進に寄与したいと考え、利用者に対して利用方法や食事の内容について聞き込み調査を実施し、明らかになった課題とその対策をまとめ、その後の活動に活かしてきている。北区は高齢者福祉のプログラムの一環とヴイ長屋は、東京都北区の桐ケ丘団地にある中央商店街の空き店舗を活用してつくられたレストランだ。最盛期には人通りも多く混雑するほど賑わっていたという桐ケ丘中央商店街は、現在その半数以上が店を閉じ、いわゆるシャッター通りとなっている。北区十条を拠点にさまざまな知的障害者の就労支援事業を手掛ける社会福祉法人 ドリームヴイがここの商店街の理事長に相談を持ちかけ、空き店舗を賃借して障害のある人たちが働く場をつくり、ここを拠点にして桐ケ丘団地やその近辺に住む高齢者に対するサービスを提供する仕組みづくりをして、地域の活性化をも目ざそうとしている。このプロジェクトは昨年度の福祉医療機構の地域連携活動支援事業※1を活用し、桐ケ丘地域の高齢者支援と地域活性化の事業として始まった。中心となる桐ケ丘団地は建設後50年が経ち、高齢化率が50%を超える状況で、高齢者への支援が早急の課題となっている。 プロジェクトではまず地元の関係する団体や行政に声をかけてチームをつくり、現状の把握や問題点の洗い出しのための会議を開催した。チームには北区障害福祉課長をはじめ、特別養護老人ホームの施設長、地区の自治会長、民生委員、商店会長そ21日本社会の高齢化はますます加速し、とどまるところを知らない。人口の少ない地方都市や山間部だけではなく、大都市でも昭和30年代につくられた大規模団地などでは、その住民の高齢化は加速し、地域の福祉で対応しているサービスも限られた資源のなかでは、充分とはいえない。地域で高齢者が元気で暮らしていけるよう、きめの細かい支援の必要性はますます高まるなか、新しい取組みも始まった。高齢者福祉サービスの担い手として注目されてきたのが、これまで労働力としてあまり期待されてこなかった障害のある人たちだ。ここでは東京都心の大規模団地で始まった取組みと、徳島県が始めた山間部とその周辺でのサービス提供の2つを取り上げる。今後ますます必要とされるサービスの提供を、障害のある人たちが率先してその担い手となるためにはさらにさまざまな工夫が必要となるだろうが、その動きに拍車がかかることを期待している。① 障害者が高齢者福祉サービスの担い手に②働く障害者の高齢化に対応する生きがいの ある働き方(地域に役立つ働き方の視点)③地域の関係機関との連係と問題点の共有POINTPOINTPOINTカフェレストラン ヴイ長屋高齢者ふれあい食事会高齢化が加速する東京都北区桐ヶ丘団地社会福祉法人ドリームヴイが開設した「カフェレストラン ヴイ長屋」※1 地域連携活動支援事業……地域の多様な社会資源を活用し福祉のニーズに対応した地域に密着した事業に助成※2 地域包括支援センター……介護保険法で定められた、各区市町村に設置されている総合的な支援機関

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です