働く広場2015年9月号
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5働く広場 2015.9関西を中心に愛され、いま通販で人気上昇中の「柿千」の柿の葉すし。大阪の中央環状線・西名阪自動車道・阪和自動車道が交差する松原ジャンクション近く、インパクトのある黒い建物に「柿千 仕込蔵」の文字が目につく。「柿千」は、株式会社あじみ屋の登録商標で、「仕込蔵」には、創業者の社長、清水幸隆さんの思いが込められている。「柿の葉すしは、元々保存食です。伝統的な醤油、味噌、酒づくりには蔵があります。昔ながらの手法を大切に本物の味を追求したい、職人の手づくりで仕上げた味を大事にしたいと、『仕込蔵』と名付けました」清水社長は中学校を卒業後、多種多様な職業を経験し、20代後半の1978(昭和53)年に柿の葉すしの製造を始め、1982年には株式会社を設立した。きっかけは、まわりの人たちから「柿の葉すしが売れるはずがない」と口を揃えていわれたことだった。「夜釣りに吉野川に出かけたとき、知り合いが柿の葉すしをくれました。おいしかった。人があかんという商品は競争相手が少ない。日本一の柿の葉すしをつくろうと決めました。10代のころ、20歳までにいろいろな職業を経験して、30歳までに何をしたらいいか見極めよう。40歳で基礎を固め、50歳になって世のなかに何ができるかを考え、60歳になったら引き継ぎをしよう。世のなかをびっくりさせるような会社を経営したいと思っていました」社長夫婦と近所の主婦たちで柿の葉すしをつくり始めた。「日本一」の目標に向かい、まず高速道路のドライブインで販売を始め、阪急うめだ本店に出店、伊丹空港、新幹線駅と販路を広げた。創業からわずか10年足らず。「食らいついたら絶対離さなかった。スッポンの清水といわれました」その後も倒産したドライブインや食材会社などを引き受けて事業を拡大し、2013(平成25)年9月には、最新クリーンルームを備えた「仕込蔵」が完成した。あじみ屋は、伊賀米コシヒカリ、国産寒かん鯖さばなど素材を吟味した「柿の葉すし」、「鯖さば棒ぼう鮓ずし」などの食品製造・販売を中心に、事業所・病院向けなどの献立の提案やレシピの作成のほか、ドライブインや日本料理店を経営する。従業員は395人。そのうち正社員は51人で、パート社員の女性が圧倒的に多く、60歳以上が135人と3分の1を占める。障害者は31人(身体障害3人、精神障害2人、知的障害24人、学習障害2人)。そのうち正社員は5人(身体1人、知的3人、学習1人)。障害者雇用率は15%を超える。障害者と高齢者が生き生きと働く企業。そこに、「人間は、障害の有無や年齢で区別されてはならない」という清水社長の人生哲学がのぞく。① 勉強会などで意欲と能力を伸ばす② 障害者・高齢者にあわせた柔軟な勤務体制③ 職場への愛着を持つことが会社組織を強くするPOINTPOINTPOINT創業10年で、大きく飛躍清水幸隆社長評判のあじみ屋の「柿の葉すし」

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