働く広場2015年10月号
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5働く広場 2015.10東海道線の岐阜駅から10キロほど西方向の田園地帯に「LFC株式会社」がある。ブルーの外観が目印の大きな建物だ。LFCは2003年、レディースのフォーマルウエア中心の「ラブリークィーン」の物流部門を分社化して誕生した。戦後すぐ、井上剛たけ典のり社長の母方の祖父母がラブリークィーンを創業し、両社の会長を務める父親の井上武さんが大きく成長させた。長男が2009年にラブリークィーンの社長を引き継ぎ、次男の剛典さんが今年6月にLFC社長を引き継いだ。「LFCのメインは、アパレルの物流業です。レディースのフォーマルウエアのほか、紳士服、子ども服、カジュアルやアクセサリーを扱い、量販店や直営店で販売しています。また、浅田真央さんのCMで知られる『エアウィーヴ』の物流の1拠点にもなっています。お客さまに感動していただける倉庫でありたいという思いから、昨年1月に『感動創庫』の商標登録をとりました。感動創庫はわれわれが目ざすゴールでもあります」アパレルのなかでも最高のクオリティを求められるという、ブラックフォーマルを取り扱っている。「その物流ノウハウが蓄積されています。修正加工に熟練の職人技を持つ技術者がいます。シワ直しやほつれの修正などをワンストップで取り扱い、お客さまのご希望に合わせた加工ができると思っています」社名のLにはLife(人々の生活)、FにはFashion、CにはCommunicationの意味を込めた。「かつて、ラブリークィーンは利益中心の会社で、上場を目指して事業を拡大していました。2000年に量販店がつぶれたりして大赤字を出したことから、人を大切にする経営に切り変えました。その3年後に設立されたLFCは、大家族主義経営の考え方に基づき、従業員が幸せになる会社を目指しています。当時、私は別の仕事をしていましたが、父や兄からその考え方を聞き、非常に大事だと思っています。毎年、社内向けに社長指針をつくっていますが、今年は会長の考えをベースに、私の思いを入れました」従業員127人。そのうち社員は34人で、スタッフ(パート)が93人。障害者は、社員9人(知的障害8人、知的障害+身体障害1人)、スタッフ2人(聴覚障害1人、知的障害1人)。従業員の離職率は低く、定年退職制度はない。高齢者も含む「お母さん世代」の女性スタッフが多く活躍している。障害者雇用は、井上武会長が2006年、日本理化学工業の大山泰弘会長の障害者雇用についての話を聞いたことがきっかけになった。すでにラブリークィーンでは障害者が働いていたが、人数を増やすのはなかなかむずかしく、LFCで雇用することを考えて、2010年8月、地元の特別支援学校から初めての就業体験を受け入れた。同年4月に、従事していたアパレル通販事業ごと、LFCに移ってきていた剛典さんも面接に立ち会った。「2011年4月に、一気に障害者6人を雇用しました。いま振り返ると、知らなかったからできたというのが、正直なところです。たまたまたくさん受け入れた就業体験の子たちを選びきれず、『みんな仕事ができるよね、途中で辞める子もいるかもしれない…』と全員を採用しました。一気に6人の雇用がどれだけ大変かは① 一気に多人数を雇用、職場に定着しやすく② 「素直な心」と「向上心」で一人ひとりが成長③ 会社の戦力として生かすPOINTPOINTPOINT大家族主義の経営で、障害者雇用一気に6人採用。「居場所」ができたLFC井上剛典社長

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