働く広場2017年2月号
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24働く広場 2017.224多品種小ロットを推進する一方で、2009年ごろから「これからは地域の土壌、気候、“ひと”に合っていて、物流のハンディを克服でき、できるだけ長期に、安定した需要が見込めるもの。ビジネスモデルとして成り立つことは最低条件」、「環境を守り、さらに、環境を改善する。ありとあらゆる方の“生なり業わい”の場にしたい」、「行き詰まった地域の農業再生に大きく貢献し、多様な住民が希望を持ち、わくわくしながら取り組みたい」、「農業、観光・飲食業、加工業、政・官・財、医療福祉関係そして、もっとクリエイティブな仕事を望むもの。それを核につながりが拡がるものは何か」と仲間と議論を重ね、夢のある取組みとして目を向けたのが「アボカド」である。その選定理由は「たしか、近所のおばちゃん家で生なっていた。日本で、世界で、消費が伸び続けている。国産のものを市場がほしがっている。世界につながるツールになりそう。地域のあらゆる業界で活用できそう。大幅な利益が出れば、基金にしたり、再投資したりできるかも。みんなが初めて挑戦することで、教える側・教えられる側の関係が創り出されていない。そのため、(愛南町のみならず)地域の産業ごと創造すれば、そこは多様な人の生きる場へとつながるのでは」と考えたのである。こうした議論が、愛南町で指定管理者制度のセミナー講師の耳にとまり、この壮大な計画の実現化につながったのだ。図2の中心に、大きく国産アボカドがある。それほどに、期待していることの表れである。種を輸入し実験したり、苗を輸入したり、失敗が続き大変なこともたくさんあったというが、6年がかりで実現の目途がついたそうである。数年前にうかがったときは、まだ一部の山に小さな木が植わっていただけだったが、今回は、あちこちの圃場にアボカドの木が大きく育ち、たわわに実をつけている木がたくさんあったので、そのたゆまぬ努力に正直驚いた。この事業は、「東果大阪株式会社」の指南を受けた果物や野菜の世界的ブランド「Dole」との共同事業で行っている。まさに世界を相手に新たな事業を創造しようとしていた。この事業は単に夢を見るだけではなく、愛南町以外のアボカドが育つ地域と連携している。万が一、天候不順で愛南町のアボカドが不作であっても、ほかの土地で納品できるように、わが国の事業者に栽培ノウハウを伝え、ネットワークで受注に応じられる仕組みをつくるために、静岡県の事業者とも連携を取っているそうである。今後どれだけたくさんの方々の雇用を創出していくのだろう。この日、そのアボカドの圃場の斜面では、3人の方が、苗を防寒・防風のための資材で囲む作業を行っていた。その指導は、建設業が廃業となり、職を失ってしまった釣井直すなおさん(59歳)が行う。ミカン畑や雑木林を開墾していくには重機での作業と人出が必要であるためだ。釣井さんと従業員が力を合わせて開墾し、そこにアボカドの木を植え、世話をし、育てていく。ここでも協働が実を結んでいた。毎週月曜日の夜は、地元住民である、吉田良香さん(60歳、「NPO法人 ハートinハートなんぐん市場」理事長。地元で会社経営)、前出の釣井直さん、木村栄治さん(61歳、元ガソリンスタンド勤務)、大黒直行さん(67歳、元「山出い行憩いの里温泉」管理者)、稲田豊さん(73歳、稲田海産代表)の5人と、「御荘診療所」の長野敏宏先生、中野良治さん(40歳、精神アボカドの生産にチャレンジアボカド畑での手入れ作業アボカドの生産協力のみなさんとの研修会図2H28年現在の事業

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