働く広場2017年10月号
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茨木 朝日茨木 朝日(いばらき あさか) 1987(昭和62)年、兵庫県養や父ぶ市し八よう鹿か町ちょう生まれ。幼少時の発達が遅く、中度の知的障害者と認定される。小学校ではいじめられたこともあったが、生来の明るい性格で、ピアノ、バレエ、水泳など、楽しいと思うことに自発的に取り組む。 自宅には来客が多く、大人たちが話に夢中になるとついていけなくなる。そのように時間を持て余したとき、メモ用に小さな紙片にしてあったチラシの裏に、客の似顔絵を描き始める。客が喜ぶので、絵を喜んでくれそうな客が来ると、決まって似顔絵を描くようになる。彼女にとっては似顔絵がコミュニケーションの手段だった。 彼女は一気に迷いなく描くのだが、それが人物の特徴をよくつかんでいて面白い。その似顔絵が2010(平成22)年、兵庫県の障害者芸術・文化祭で審査員特別賞を受賞した。それをきっかけに彼女の絵の世界が、似顔絵から静物に、さらに動物の物語へと広がりを持ち始める。 彼女の線には迷いがない。ほとんど一筆書きで、デッサンのように同じ線をたどることはない。その潔いさぎよさが、形の面白さを生み出す。一番の特徴は、常識と思われる色を選ばないことだ。極彩色のオオサンショウウオや鳥やカエルは、このようにして生まれた。文/特定非営利活動法人がっせぇアート 茨木隆宏

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