働く広場2017年10月号
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4働く広場 2017.10労働などの関係機関の連携が必要であるからだ。同様の取組みは、秋田県のほかに岐阜県、静岡県、鳥取県、島根県、香川県などが行っている。予算がかぎられていても、計画的に事業化すれば、全県に施策は浸透する。秋田県ではさらに県北、県央、県南の広域圏域の視点を加え、施策の浸透を図っている。例えば、実習先・就職先の開拓をする職場開拓員の配置を、2015年から2017年まで年度ごとに進めているが、この場合には3広域圏で毎年度2校ずつ予算化を図っている。県の職域開拓の意図は地域に行き渡るはずである。文部科学省は、いよいよ来年度から高等学校にも通級による指導※2の施策を始める。秋田県では高等学校において特別な支援を必要とする生徒に対し、高等学校特別支援隊の派遣という方法で進めている。事務局を県北(県立比内支援学校)、県央(同栗田支援学校)、県南(同横手支4ロゴマークは、この事業の理念のシンボルといえよう。また作業学習に関する授業改善の成果を「特別支援学校 作業学習ガイド」として秋田県公式サイト「美の国あきたネット」に掲載し、現場実践の共有化を図っている。先に述べた第二次総合整備計画では、各学校の状況に応じ高等部コース制の導入、専門学科の設置の検討をあげているが、単独の職業学科高等部校の設置計画はない。幼稚部がある視覚障害と聴覚障害の支援校を除いて、すべての支援学校が小・中・高等部からなる。家庭と地域との協力・連携により、義務教育段階からキャリア発達の支援、すなわちキャリア教育を通してすべての児童生徒の主体的な社会参加を実現するという一貫した計画性を理解することができる。今回は、秋田県立栗田支援学校、秋田大学附属特別支援学校、秋田県立能代支援学校の3校を訪問し取材した。県の方針のもとで、それぞれの学校の特色を活かした実践から多くのことを学ぶことができた。まず栗田支援学校である。2017年5月1日時点での規模は、小学部53人、中学部63人、高等部122人である。高援学校)に置き、県教育委員会の教育専門監(特別支援教育)を中心にハローワークをはじめ、関係機関職員のネットワークで部隊を組み、進めている。また県では、農業(特産野菜を含む)や伝統工芸など、地場産業と連携した特色ある職業教育の実践を進め、地域産業のにない手や従事者の育成を目ざし、「地域事業所からの協力・連携による実践的な職業教育」を進めていることにも注目したい。「地域で本物を学ぶ職業教育の取組み」である。協力・連携の形態としては、専門家による技術指導の校内導入、校外作業、職場実習、食品加工、受注による納品にわたる。協力・連携には清掃・周辺作業やリサイクルなども含まれる。このような職域開拓促進事業を通して、生徒の希望する進路の100%達成を実現させるというスローガンのもと、地域との関係性のなかで、作業活動を通し生徒が自己の適性や役割を実感し、理解を深めていく。生徒の主体的な進路学習と社会参加を地域が応援する。就職率の上昇は、この事業が目ざす生徒のキャリア発達の支援がもたらした結果である。「職業教育フェア」で使用される「秋田県特別支援学校作業学習製品統一ブランド」の県立栗田支援学校の実践秋田県教育庁特別支援教育課長の小林司さん秋田県立栗田支援学校栗田支援学校の校長、西嶋崇広さん地域との協力・連携で進める作業学習※2 日本の義務教育における特別支援教育の制度のひとつで、通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることのできる制度

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