働く広場2017年11月号
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11働く広場 2017.11人(対前年比2・1%増)、知的障害者は10万4746・0人(同7・2%増)、精神障害者は4万2028・0人(同21・3%増)でした。全体に占める割合は10%弱とまだ少ないものの、前年比からもわかるように近年では特に、精神障害者の伸び率が高くなっているのが特徴です。「平成28年度・障害者の職業紹介状況等」を見ても、ハローワークを通じた障害者の就職件数のうち、精神障害者の割合が半数近くを占め、平成19年度と比べ、大幅に伸びていることがわかります。(グラフ1) また、前述の雇用状況の集計結果によると、2016年6月1日現在の実雇用率は1・92%で、企業規模別の実雇用率(表1)は、従業員数が1000人以上規模の企業では2・12%、50〜100人未満規模の企業では1・55%と、現在の障害者雇用は大企業がけん引しているといえます。しかし、今後は中小企業の取組みによる、さらなる雇用拡大の可能性に期待が寄せられています。 では、障害者はどのような仕事に就いているのでしょうか。障害に対する一般的なイメージから、肢体不自由者は移動や身体動作の少ない仕事、知的障害者は判断が少ないくり返しの仕事、精神障害者は対人対応などのストレスが少ない仕事が適していると考えられがちです。しかし、同じ障害種別でも、一人ひとり障害の状況や程度が異なるうえに、身につけているスキルや就労経験、仕事に対する希望はさまざまです。障害の状況によっては、職務がかぎられる場合もありますが、はじめから向き不向きのイメージにとらわれすぎずに、企業側は率直に「担当してほしい業務」を伝え、本人側から障害特性、意欲や経験をよくヒアリングするとよいでしょう。さらに、企業が提供できる配慮事項を考慮したうえで、個々の状況に応じたマッチングを行うことが大切です。 実際、本人に必要な職場環境の改善や支援機器の導入、適切な教育訓練によって対応できる仕事の幅を広げている企業も多く見られます。紙ファイルのマニュアルを電子化して、パソコン画面で手順を確認することにより、上肢に障害のある人が機械操作にたずさわる事例、知的障害者がパソコンの操作を学び、事務補助作業にたずさわる事例、マニュアルの活用や模擬練習の実施により、精神障害者が喫茶サービスにたずさわる事例などもあります。障害者の雇用事例については、当機構の事例集やDVD、リファレンスサービス(http://www.ref.jeed.or.jp/)なども参照ください。他社の見学や職場実習などで実際に障害者と接してみると、「障害のある社員も重要な戦力である」とわかり、雇用に向けて取り組みやすくなるでしょう。障害イメージにとらわれない雇用計画を一緒に働くために知っておきたいこと 障害のある人と、一緒に働いたことがある人は、全労働者のうち、どれくらいいるでしょうか。そもそも身近に障害のある人はいない、という人もいるかもしれません。いまの自分の職場に、新たに障害のある人が入ってくるとしたら、どのように接したらいいのか、困惑する人は多いでしょう。 では、見方を変えてみましょう。 いま、一緒に働く仲間が、事故や病気により、何らかの障害を持ち、それでも仕事を続けることになったら……。 職場のみなさんはその方に、仕事をするうえで何が不便かを聞き出し、仕事がしやすいように自然に配慮ができるはずです。 見方を変えれば、障害のある人と一緒に働くことは、何も特別なことではありません。 一人ひとり異なる事情があり、何らかの配慮が必要なのは、妊産婦、高齢者、障害のある人など、みな同じなのです。(有)まるみ 代表取締役社長編集委員 三鴨岐子●身体障害の人は、職場設備を改修しないと受け入れられない●知的障害の人は、掃除などが適している●精神障害の人は、コミュニケーションが苦手なので人と接する仕事は向かない企業がとらわれがちな、働く障害者のイメージ(例)

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