働く広場2017年11月号
27/36

25働く広場 2017.11Q 将来の夢は?福島 たくさん働いてお金を稼いで、いつか一人暮らしをして、仕事もプライベートも普通にしたいです。福島さんの口から出た「普通にしたい」というフレーズに思わずハッとさせられた。仕事があり、収入を得、プライベートを楽しむ。当たり前のことだけれど、それが「普通」のことなのだ。けれど現在の日本では、障がいのある彼らが自立可能な収入を得ることはまだまだ当たり前のことにはなっていない。飯山市でも東員町でも、かつての芽室町でも、特に重度障がいのある彼らは、B型事業所や日中活動の場で支えられ、守られて人生を積み重ねていくものだと、それが普通のことなのだと、教育関係者も保護者も、もしかしたら当事者たちでさえも、そう思って生きてきたのだろう。それでも、こうして暑い日も風の日も、自身に与えられた役割に真しん摯しに向き合い、収入を得、夢を語る彼らの目の輝きや言葉には、その「当たり前」や「普通」を根底から覆すだけの力が宿っている。今回、取材をした2事業所に留まらず、第4、第5の“めむろ”を目ざす自治体が全国で次々とその動きを進めている。飯山に隣接する中野市でも、この9月1日に、富山県を中心にスーパーマーケットを展開するアルビス株式会社と連携し、事業所を開所させたところだ。また中国地方においても来春開所を目ざし、調整を加速する自治体が存在する。芽室町で産まれた小さなプロジェクトが、なぜこれほどまでに横へ横へと展開をしていくのか。それはきっと、このプロジェクトに取り組むために必要な条件を、どの自治体、どの場所であっても、すでに持ち合わせているからだろう。地場産業や名産品の有無、都市部への交通の便のよし悪しとか、財源の差など。もしかしたらそれらはすべて、できないための言い訳なのかもしれない。その町に障がい者がいて、高齢者がいて、若者がいる。働きたい人がいて、働いてほしい人がいる。町が好きな人がいて、町を活性化したい人がいる。それが雇用を創出するプロジェクトの条件のすべてなのかもしれない。25した。そこではパンをつくったり、施設外就労(事業所外での作業)をしていました。Q 入社したキッカケは?福島 農業をする事業所だと聞いて「行きたい!」と思いました。ずっと農業に興味があったので嬉しかったです。Q どんな仕事にやりがいを感じますか?福島 大根の箱詰めが楽しいです。チームワークで進めていけるところが好きです。大根の箱詰めをする吉澤朝子さん(左)と、佐藤天たかしさん(右)大根の洗浄をする子こ安やす憲けん太たさん大根の収穫をする宮みや尾お健けん太たさん従業員の福島洋人さん消毒作業をする渡わた邉なべ航こう太た郎ろうさん

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る