働く広場2017年11月号
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29働く広場 2017.11けの就職指導を受けられず、就職に際して困難に直面したり、就職しても短期間で離職してしまったりする。・軽度知的障害者の若者は、一般の若者と比較して継続就業期間が短く、安定した雇用に結びつきにくい傾向がある。このような課題の背景には、特別支援学校高等部ではなく、一般高校への進学を選択する軽度知的障害者がいるということがあります。この原因として、幼少時に知的障害を指摘されても、小中学校では何とか学校生活を送ることができているので、特別支援学校に進学させないことがあります。療育手帳を取得している場合でも、就職に際して困難性に直面し、ようやく療育手帳取得に向けて本人、親が動き出しているものと思われます。こうした課題を解決するには、親が障害を理解する必要があります。特に、中学校卒業時に本人、親が知的障害を理解し、特別支援学校進学という選択肢もあることを理解する必要があるでしょう。一般高校を選択する別の要因としては、障害が軽度であって、家族、本人も障害とは思っておらず、一般高校入学後または卒業後に初めて外部から指摘を受けて療育手帳を取得する場合もあります。この場合でも、一般高校やその後の進学先の学校からの就職支援が十分でなく、就職活動に困難が生じてしまうことがあります。軽度知的障害者の円滑な就職、職場定着にあたって最も重要なポイントは、家族と本人が障害の存在に気づき、理解することです。高校卒業後に療育手帳を取得しているケースでは、就職活動でかなり困難を感じている様子がみられました。ただ、今回ヒアリングしたなかでは、高校卒業後であっても、障害の理解がなされた時点で療育手帳を取得し、ハローワークなどでの障害者支援を受けることで、スムーズな就職に結びついた事例もあったことから、そうした困難を抱えている軽度知的障害者の声を察知し、「気づき」に誘導する指導機会が必要であるといえるでしょう。をみてみます。前職の継続就業期間について、今回調査した軽度知的障害者と一般の若年者を比べてみると、一般の若年者では1~2年という人が約37%で最も多いのに対し、軽度知的障害者では6カ月未満という人が最も多く、離職した人の半数近くが6カ月未満で離職しています。また、3年以上の期間でみると、軽度知的障害者は若年者全体よりもかなり継続者が少なくなっています。このように、軽度知的障害者は職場定着において、安定した雇用に結びつかないことが多いといえるでしょう。さらに、軽度知的障害者が一般高校や、その後の進学先で障害者に適した職業教育、進路指導を受けているかについて、ヒアリングで聞いたところ、肯定的な回答はほとんど聞かれず、ハローワークなどの利用をすすめられる程度でした。3 考察 今回の調査で分かった課題をまとめてみると、・療育手帳を取得して、ハローワークの専門援助窓口や地域障害者職業センターで相談している一般高校卒の軽度知的障害者は多くはない。ただし、一般窓口や若年者向け支援機関で求職活動をしているといった、把握困難な知的障害者が潜在的に存在すると思われる。・知的障害が軽度であるため、本人や家族が障害に気づかなかったり、気づいても特別支援学校に進むことを希望しなかったりして、一般高校やその後の上級学校へ進学するケースがある。・一般高校や、その後の進学先では知的障害者向注:若年者雇用実態調査では初職継続期間離職者の前職継続期間060%50%40%30%20%10%6カ月未満6〜11カ月1~2年3〜4年5〜9年10年以上不明48.1本調査平成25年 若年者雇用実態調査12.315.212.825.337.25.117.41.39.75.19.31.2

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