働く広場2017年12月号
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9働く広場 2017.12と、障害のあるメンバーと会社の関係がウィンウィンになりません。ハンディキャップの部分をサポートすれば、私たち以上に能力のある人もいます。本人の障害が理由で体調が厳しく辞めた方はいますが、定着はいいですね」会社として、障害者雇用をきちんと進めるための対策の手を打っている。「企業ですからトップダウンで、障害者雇用に力を入れていくというメッセージを出してもらっています。障害者をうまく受け入れていければプロフィット(利潤)を生む。コストをいかにプロフィットに変えるか、上司から『障害のあるメンバーを使った仕事を増やすように』という指示が出たりします。また、ノーマライゼーション推進部に仕事を依頼すれば、何人分雇用したと計算しています。そういう仕組みを全社的につくることが大事だと思います。障害者が優秀な結果を出している部門からは、『来年は何人来てくれるの?』というニーズが生まれてきています」アシストが設立されて12年。佐藤さんは「イメージとして描いた会社ができているかな」と感じている。「このまま続けていきたいと思います。最近、再生紙をつくる新しい機械を入れたのも雇用開発の一環ですが、いままでの採用レベルではなくて、もう一段違う採用の枠をつくる方針です。また、入社当時30代だった方が40歳を超えてきたので、スムーズにリタイアできる仕組みも、そろそろ考えていきたいと思います」横井山さんに、障害者雇用についての思いを聞いた。「障害者のマネジャー職が1人いますが、これからは彼らが主役で、どんどん上に立って仕事をになっていけるように、人材育成に力を入れたいと思います」最後に、古原さんにお話をうかがった。「当社が採用してきたような人材を採用したいとする会社が増えてきて、新卒採用の厳しさを感じています。なおかつ行政の指導もあります。今後、雇用率も上がりますから、障害者が働く職場をつくることが一番の課題です。先に採用ありきではなくて、ハンディを考えたうえで、やりがいのある職場をつくりながら採用していきたい。ハードルは高いですが、障害の有無にかかわらず、社会の一員としてともに働き、それぞれの個性と実力を発揮できる会社を目ざしていきたいと思っています」親会社のトランスコスモスのホームページは、障害者のメンバーが制作している。そこには、きちんと「障害者雇用促進」がうたわれている。親会社と特例子会社が一体となって、障害者雇用に前向きに取り組んでいることが印象に残った取材だった。やパンフレットなどの印刷を中心に行っています。これらが親会社のさまざまな場面で活用されていることに、重みとやりがいを感じています。名刺に使う紙の種類がたくさんあることがむずかしいです」休日はいつもより長く寝て、CDで音楽を聞くのが楽しみだとか。「パソコンは私よりも得意」と佐藤さんが認める優史さんに、自身の課題について聞いた。「不安を抱え込んでいること、落ち着きがないことです。ほかの人に話しかけることも苦手です。もう少し落ち着いて業務に取り組めるようにしたいと思っています。働き続けて、自分1人で遠くの都市に行って、新しい発見をしてみたいです」 古原さんは、アメリカに9年間赴任した際に感じた思いが、障害者雇用を考えるときの基底にあるという。「最初はミッションで受け持ちましたが、アメリカの日常生活のなかで感じたハンディキャッパーへの差別のない対応がイメージとしてあり、そのこだわりが障害者雇用にも生きている気がします。ですから、雇用率を優先しすぎないことが、一番大事だと思っています。そこに走る全社的な障害者雇用の仕組みをつくる名刺作成、パンフレットの印刷などを担当する佐藤優史さん

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