働く広場2017年12月号
12/36

10働く広場 2017.12場従業員の理解」、「作業を遂行する能力」、「経営トップの理解(方針)」の順となりました。研究では違いが生じた理由の1つとして、中小企業では雇用する障害者として身体障害者を念頭に置いており、支援機関では知的障害者や精神障害者を想定していることが考えられると分析しています。 実際この調査研究で、現在、障害者 身体障害者の雇用が義務化された直後の1997(平成9)年に1・09%であった民間企業の障害者雇用率は、2016年には1・92%となり、障害者雇用数とともに過去最高を更新しました(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」)。 実雇用率を企業規模別に見ると、従業員が1000人以上規模では2・12%、50〜100人未満規模では1・55%と、規模が小さくなるにつれて低くなっています。現在でこそ300人未満の中小企業の実雇用率は低いものの、かつては大企業より中小企業の方が障害者雇用は進んでいました。これは、経営者の理解、中小企業ならではの柔軟な対応や親密な人間関係などから、雇用管理にいろいろな工夫がされていたことが1つの要因ではないかと考えられています。当初から高かった中小企業の雇用率は、1993年ごろをピークに下降し、2000年代はじめに大企業と逆転して現在に至っています。背景には、産業構造や経済情勢、法律の改正や施策の展開など、障害者雇用をめぐるさまざまな変化があると考えられますが、実雇用率が低くなったとはいえ、中小企業には現在でも多くの障害者が働いており、さらなる雇用の広がりが期待されているところです。 障害者職業総合センターの調査研究(※1)では、中小企業と支援機関に対して「中小企業が障害者を雇用するにあたって課題や制約となっていると感じていること」についてアンケート調査を実施したところ、図1のような回答が得られています。中小企業では「作業内容・手順の改善」、「物理的な環境整備」、「作業を遂行する能力」の順に回答が多かったのに対して、支援機関では「現活躍が期待される知的障害者、精神障害者近年では知的障害者や精神障害者の雇用が増加している傾向にありますが、まだ、こうした障害がある社員の雇用に消極的な企業もあるようです。今号では知的障害者や精神障害者の受入れに向けた取組みについてご紹介します。民間企業の雇用率の変化中小企業のための~障害者雇用の進め方~障害者職業総合センター(※1)「中小企業における障害者雇用促進の方策に関する研究」よりhttp://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku114.pdfVol.2中小企業が感じる障害者雇用の課題と雇用・求職の現状図1:障害者を雇用するにあたっての課題や制約作業内容・手順の改善物理的な環境整備作業を遂行する能力労働条件等の配慮社内支援者の配置社内コミュニケーション現場従業員の理解仕事に対する意欲遅刻や欠勤のなさ(勤務態度)外部機関の支援経営トップの理解(方針)家族との協力関係0%20%40%60%80%100%63.3%55.6%37.8%36.6%34.5%24.7%15.1%11.6%9.0%5.3%3.8%0.7%47.2%28.8%59.6%29.2%52.0%37.4%80.1%中小企業(56-300人)支援機関24.2%10.3%30.4%57.7%23.6%

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る