働く広場2017年12月号
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11働く広場 2017.12を雇用している企業に、雇用している障害者の障害種類をたずねたところ、図2のような結果となりました。中小企業、大企業とも9割を超える企業が身体障害者を雇用しています。ところが、中小企業では知的障害者や精神障害者を雇用している割合が、それぞれ15・1%、8・8%と低くなっており、大企業と比べて知的障害者は2分の1程度、精神障害者は3分の1程度にとどまっていることがわかりました。一方で近年では就職を希望する知的障害者や精神障害者が年々増加しており、ハローワークの新規求職申込件数は、知的障害者と精神障害者で障害者全体の6割を超えています(厚生労働省「平成28年度・障害者の職業紹介状況等」)。 今後は、中小企業も知的障害者や精神障害者の雇用を検討していくことが求められますが、知的障害者や精神障害者と接したことがない企業の多くは、働く姿をイメージすることがむずかしく、受入れを躊ちゅう躇ちょしてしまうのではないでしょうか。 知的障害者や精神障害者が従事している業務には、パソコンでのデータ入力や郵便物の仕分け・発送書類のファイリ知的障害者・精神障害者の受入れに向けてングなどの「事務系の作業」から、清掃・調理・介護補助などの「サービス系の作業」、組立て、加工などの「製造・労務系の作業」まで幅広く、特性に応じた適切なマッチングと支援によって、力を発揮している事例も多く見られます。初めは消極的だった企業からも、雇用後は本人の仕事ぶりを評価する声が聞かれています(※2)。 障害者雇用を考え始めたら、まずは、すでに障害者を雇用している同業他社の情報を収集したり、ハローワークやそのほかの支援機関、各自治体などが開催するセミナーや見学会に参加して自社ではどのような雇用が考えられるか検討しましょう。 業務の切り出し、作業手順、指示の出し方やコミュニケーションなど、雇用を進める際に不安や課題に感じていることは、支援機関と相談しながら対策をたてるとよいでしょう。 人員に余裕がないといわれる中小企業では、障害者の雇用は負担が大きくメリットがないと考えるかもしれません。しかし、障害者を雇用して育成することは障害者個人の能力開発や生産性の向上だけでなく、作業工程を見直すことによる職場全体の生産性の向上や安全の確保、職場の雰囲気や同僚に与えるよい影響など、多くの効果につながっているのです。障害者雇用が、働きやすい職場づくりのきっかけにみんな違って、面白い ひとくちに「知的障害」、「精神障害」などといっても、一人ひとりはまったく違う人物です。明るい人も暗い人もいます。体力に自信がない人も、体力が有り余る人もいます。立ち仕事が苦にならない人もいれば、そうでない人もいます。推し進める力の強い人がいるかと思えば、石橋をたたいて渡る慎重派もいます。個別の状態は、直接会って聞いてみなければわかりません。面接や雇用前の実習で、丁寧に見ていくことが大切です。実際に、一般の社員が苦手とすることに、高いパフォーマンスを示す人もいます。 その違いを発見し、その人のパワーを活かす仕事と結びつけることが「面白い」と感じています。それは、新入社員を受け入れるときと同じではないでしょうか?(有)まるみ 代表取締役社長本誌編集委員 三鴨岐子(※2)事例として、当機構発行の「中小企業等における精神障害者や発達障害者の職場改善好事例集(平成28年度)」をご参照ください。http://www.jeed.or.jp/disability/data/handbook/ca_ls/h28_kaizen_jirei.html図2:中小企業・大企業における雇用障害者の障害種類(複数回答)(この調査では、56ー300人の企業を中小企業、301ー999人の企業を大企業と呼ぶ)301ー999人0%20%40%60%80%100%90.2%15.1%56ー300人8.8%95.9%28.3%24.8%身体障害知的障害精神障害

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