働く広場2017年12月号
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24働く広場 2017.12月かけてシンプルな仕組みに変更した。おかげで、障害者も戸惑うことなく仕訳作業ができ、業務そのものの大きな改善につながった。これは、依頼元の課長の迅速な判断と、施設管理グループへの配慮の結果が、依頼元の部署にも障害者にもいい効果を生み出したと感じた。障害者に優しい仕組みをつくると、一般事務員も楽になることを目の当たりにすることができ、今後、ますます期待を持つことができた。吾あ郷ごう修平さんはこの日、伝票をコード別に仕訳し、番号順に並び替えて、背表紙をつけ紐で綴じたり、パソコン入力作業をしていた。(7) 事務補助作業、スキャン作業、  シール作成2015年から導入したのが事務補助業務である。各所には、さまざまな事務作業があり、受注伝票や固定資産台帳の整理やシール作成、資料のスキャン業務など、多様である。その業務を依頼されたときに、依頼されたことだけをするのではなく、さらに依頼者が便利になるような付加価値をつけて、依頼品をお返ししている。そのことで、依頼元の部署の仕事がしやすくなり、「依頼してよかった」の言葉をもらえるようになり、たずさわった障害者も感謝される喜びと、仕事へのモチベーションが自然と高24くなったと感じている。この日は、高橋昌まさ暉きさんがスキャン作業を、村むら社こそ広大さんと田中翼さんがシール作成にあたっていた。森本さんが支援のポイントをまとめてくださった。(1) 職場の全員が支援スタッフとなるように ⇨ナチュラルサポート   「目配り」、「気配り」、「心配り」を心がける。障害者担当1人が一生懸命がんばっても、すぐに限界がくる。(2) 受け入れる障害者の特性は周囲にきちんと伝える ⇨「誤解」や「食わず嫌い」にならないように(3) 個人個人の得手不得手を早く見極める   障害名で判断しない。イメージではなく事実を元に、支援スタッフで情報を共有・共感する。 一人ひとりに違う役割を与え「責任感」を持たせる。(4) 同じ作業に対して指示内容が食い違わないようにする(5) できたことは褒める。「ありがとう」を意識的にいう   「がんばったね」だけでなく「ここがよかったよ」と具体的に褒める。「成功を意識」させ「可能性」を引き出す。(6) 改善提案があれば素早く対応  ⇨信頼関係を築く近道(7) 「自己判断」をさせないよう配慮 ⇨相談に行く 勝手な「判断」は混乱やミスの原因となる。(8) 状況に応じて、答えが「はい」のひとことで終わる会話にしない 簡単な問いかけで会話のきっかけを意識する。(9) 指示がうまく理解されなかった場合は、おおむね指示の方法が悪い 指示の不足、横着などが原因で、障害者が悪いわけではない。場合によっては、「次回はどうしたらいいかな?」と聞く。安易に叱らず、考える「間」を与え、「こうすればもっとうまくできるよ」と助言をする。(10) 「教育」をちゃんとする。教えっぱなしは指導者の自己満足で終わりやすい 「力量」をチェックし、フォローをきちんと行う。支援のポイントの説明後に、森本さんが補足をしてくださった。「専門知識が豊富なことに越したことはありませんが、逆にその知識が固定概念となり、(2)、(3)にあるように、『その障害の人は○○が苦手で、こんな性格で……』となりえます。私たちは直接本人と接して、いろんなことにチャレンジしてもらい、何ができ(得意)て、何ができない(不得意)のかを現認し、見極めるようにしています。せっかくの潜在能力を、支援スタッフが勝手に封印してしまうことがないよう、いろいろな角度でさまざまな人が観障害者雇用、支援のポイント 簡単ではないので「覚悟」が必要スキャン業務をする高橋昌暉さんシールのカットをする村社広大さん

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