働く広場2017年12月号
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28働く広場 2017.12研レ究ポ開ー発ト障害者の就業状況等に関する調査研究わたしたちは本研究を始めるにあたり、いままでの研究や調査において「障害者の就業状況」がどのように取りあげられているか調べてみました。そのタイトルをみると「職場適応」という障害者が職場にあわせるという視点の言葉から「職場定着」という障害者を職場の一員として長く受け入れていこうという視点の言葉を使う方向にあることがわかりました。では、職場定着の現状はどうなのでしょうか。実に多くの事例報告や研究があり、当機構でもこれまで収集した障害者雇用事例をリファレンスサービスとしてインターネットで公開しています。しかし、障害者の定着率や離職率を公的に詳細な調査を行ったものはありません。よって本研究は、厚生労働省からの研究要請に沿って、ハローワークの職業紹介により就職した身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者の就職状況、職場定着状況および支援状況などの就業実態を把握することを目的にしています。このたび、2015(平成27)年度から2年間の計画により就職後1年間の追跡調査に取り組んだ研究結果を取りまとめて、2017年4月に当機構の障害者職業総合センターから「調査研究報告書No.137」として発刊しましたので、本稿ではその概要を紹介します。まず最初に、報告書は、障害者の職場定着状況などに関する調査を集計・分析した結果を図や表を中心として提供する基礎資料であることをご理解ください。つまり、読者のみなさまに活用いただいてこそ、研究価値が生まれるととらえています。「いままでの認識と同じ、または違う」、「なぜ求人種類による定着率の違いが大きいのだろうか」、「定着にかかる関係機関の支援の効果はどうなのだろうか」など縦横斜めに議論していただけると幸いであると考えています。では、概要として、以下に2つのグラフをお示しします。グラフ1は、就職した求人種類別の定着率を表しています。就職後3カ月時点の定着率をみると、高い順に就労継続支援A型の求人に就職(以下「A型」)した場合は88・0%、障害者求人に就職(以下「障害者求人」)した場合は86・9%、一般求人に障害を開示して就職(以下「一般求人障害開示」)した場合は69・3%、一般求人に障害を開示せずに就職(以下「一般求人障害非開示」)した場合は52・2%でした。就職後1年時点の定着率は、高い順に障害者求人70・4%、A型67・2%、一般求人障害開示49・9%、一般求人障害非開示30・8%でした。この調査では、2015年7月1日から8月31日の2カ月間に全国134所のハローワークの協力を得て、専門援助部門の紹介により就職障害者職業総合センター研究部門グラフ1 求人種類別にみた職場定着率の推移と構成割合就職1年11カ月10カ月9カ月8カ月7カ月6カ月5カ月4カ月3カ月2カ月1カ月(経過期間)就労継続支援A型求人(1742人)障害者求人(1923人)一般求人障害開示(747人)一般求人障害非開示(603人)88.0%86.9%69.3%52.2%70.4%67.2%49.9%30.8%0%100%80%60%40%20%(職場定着率)0%100%80%60%40%20%n=5015一般求人障害非開示一般求人障害開示障害者求人就労継続支援A型求人(人)174234.7%192338.3%74714.9%60312.0%

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