働く広場2017年12月号
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5働く広場 2017.121966(昭和41)年創業の「トランスコスモス株式会社」は、IT関係のアウトソーシングを行う、日本では草分け的な一社だ。ここ数年、右肩上がりの成長を続け、グループの社員数は国内3万4000人、海外を含めると4万7000人にのぼる。売上高2400億円強。執行役員、本社管理総括副責任者で、特例子会社「株式会社トランスコスモス・アシスト」の代表取締役を務める古こ原はら広行さんから説明を受けた。「ひと言でいえば、お客さま企業のバックオフィス業務を引き受けています。お客さまの売上拡大と、コスト削減の両方のアウトソーシングを弊社がになうことで、お客さまの利益が上がるという仕組みです。コールセンター、給与計算、受発注業務などのビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)のバックオフィス系や、デジタルマーケティング、EC(電子商取引)など、インターネット関係の業務などをグローバルに展開しています。アウトソーシングは、日本の企業に浸透しつつあり、今後も需要は増えると思いますし、その人材確保が大事になってきます。また、AI技術と人をうまく融合しながら、サービスを展開していくことも重要になってきています」現在、トランスコスモス全体で約300人の障害者が在籍しており、そのうちの30人がトランスコスモス・アシストの社員だ。障害者は原則、東京本社か大阪本部で勤務している。トランスコスモスが行政の指導を受け、障害者雇用に本格的に力を入れ始めたのは10年ほど前のことだった。古原さんは、障害者雇用には明確な方針を掲げていると話す。「雇用の方針は、『どんな雇用の仕方ができるか』に重点を置いて、最初から雇用率のみ優先させる雇用はしないようにしてきました。ハンディキャップのある方々のハンディの部分をサポートして、いかに健常者と同じような仕事をしてもらうか。そう考えると採用のハードルも上がり、雇用率を優先することはできないのです」当初は主に聴覚、身体に障害のある人たちを採用し、総務や人事の事務サポート業務を行っていたが、2005(平成17)年に知的障害者を主力とする特例子会社「トランスコスモス・アシスト」(以下、アシスト)を設立。「会社としてしっかり力を入れていこう、ノーマライゼーションに基づいて取り組もう」との思いをこめて、2008年には、「ノーマライゼーション推進部」をつくった。親会社と特例子会社が一体となって、障害者の雇用を進めている。 親会社のトランスコスモスで採用された障害者は原則、管理本部のノーマライゼーション推進部に所属する。聴覚障害の人たちが44%、次いで精神障害の人たちが20%を占める。その理由を、古原さんが明かしてくれた。「聴覚障害の人たちのコミュニティのつながりから入社する方も多く、人数が増えてきました。『できるかぎりのサポート体制をつくろう』という姿勢も評価されているようです。精神障害の方は契約社員で入って、正社員に登用していくという流れです。仕事に慣れてくると弊社のコールセンターやBPOセンターで働く人もいます」ノーマライゼーション推進部の業務は、大きく分けてクリエイティブ系と事務系雇用率優先の採用はしない働く場所はフレキシブルにトランスコスモス株式会社の執行役員、本社管理総括副責任者の古原広行さん① 先に採用ありきではなく、やりがいのある職場をつくりながら採用し、定着につなげる② ハンディを除けば能力が発揮できると考え、手話通訳者、精神保健福祉士、社会福祉士を配置し、障害者を支援③ 業務適性や必要な支援度合いにあわせ、特例子会社か親会社か、働く場を選択できるPOINTPOINTPOINT

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