働く広場2017年12月号
8/36

6働く広場 2017.12ったことと、親会社のITサービス事業に関連した仕事をと考え、4人でスタートして、2年目に14人に増やしました。その後も『パソコンができる知的障害の方』という条件で募集すると、応募は発達障害で男性ばかり。結果的に東京本社にいる28人は全員男性です」支援スタッフは佐藤さんを含めて5人(うち男性2人)で、業務はパソコンを使ったデータ入力と、名刺作成、印刷・印刷物の封入などの事務作業、親会社での事務補助の3本が大きな柱。そのほかメール便の発送手続き、シュレッダー、清掃などの業務を行っている。「印刷物の封入や、アンケート入力などの単純作業からスタートしましたが、求められる業務レベルが上がってきて、同じ発達障害でも、“親会社での採用”と“アシストでの採用”という構図ができあがってきました」ノーマライゼーション推進部で面接しても、本人の了解のもと、アシストで入社に至る人も、逆にアシストで実習してノーマライゼーション推進部で入社に至る人もいる。現在はアシストの社員の約半数が親会社に出向いて、事務補助作業に就いている。「親会社に出向いて業務を行うアシスト社員は、ビジネスマナーがしっかりしていて、親会社社員の指示をおおむね正しく理解することができる人たちです。アシストがあり、ホームページ制作、デザイナー、インターネット広告関係など、デジタルマーケティング業務に就いている人が多い。在籍する聴覚障害者を支援するために、社員として手話通訳者がおり、さらに必要なときは外部の手話通訳者に依頼する制度もある。話したことをテキストで自動翻訳するシステム、チャット、パソコンのメモ帳でのやりとりなどで、健常者とのコミュニケーションを図る。ノーマライゼーション推進部部長代理の横井山隆りゅう介すけさんは、前職ではシステムエンジニアだった。「障害者のクリエイティブチームを立ち上げるとき、そのマネジメントをすることで転職してきましたが、5人中4人が聴覚障害で、カルチャーショックを受けました。キーボードでの文字だけのやり取りに慣れなくて、3カ月ぐらいはたいへんでしたが、これしか手段がないと割り切ると、普通にコミュニケーションができるようになりました。広報宣伝部に相談して、いまは弊社のホームページや会社案内、パンフレットを制作しています」最近は、事務系よりもウェブ系のエンジニア、デザイナーなどの職種での入社が増えているという。「社内外から委託された業務をここで行う働き方と、業務に慣れてきたら、ほかの部署に常駐して働く『部門常駐』の働き方があります。常駐という形で出向くときは、部門の上長やリーダーに理解を深めてもらうために、どんな配慮が必要かの説明会を行ってから、配属します。常駐先部門で習得した技術などを、数年後、自部門に戻ってリーダーとして教えることもあります」障害者にもトランスコスモス社員として、一般の社員と同じ給与体系、評価制度を適用する。ノーマライゼーション推進部では入社後研修も行っている。「デザイナーになるための研修も行っています。優秀なデザイナーには、ほかの部署から研修会やセミナーの講師をしてくださいという依頼もきています」 アシストのメンバーについて、話をうかがった。「すごくまじめで一生懸命働いているので、私たちも見習わなければいけないところ、勉強になるところがあります」と古原さん。そのアシストの社員は、大阪本部に身体障害者が2人。東京本社の28人はほぼ全員が発達障害で、うち大卒が6人いる。業務サービス部次長の佐藤麻子さんが、設立当初からサポートしてきた。「行政から指導を受けたときに、特例子会社をつくらなければと考えました。当時は親会社内で発達障害の方が事務補助の仕事をしていました。事務能力が高か能力を発揮できるように、ハンディを取り除くトランスコスモス株式会社ノーマライゼーション推進部部長代理の横井山隆介さん株式会社トランスコスモス・アシスト業務サービス部次長の佐藤麻子さん

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る