働く広場2018年10月号
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9働く広場 2018.10んは数カ月でマスターしたという。さらに伊い藤とう大だい樹きさん(23歳)は、データ入力からでき上がったパーツの取り出し作業までを一人で任されている。「5カ月ぐらいで習得しました。パーツの向きや裏表を変えながら効率的に造形できるよう調整するのはたいへんですが、やりがいがあります」と頼もしい言葉。玩具試作品の造形補助は8年前から始まったが、当初は、バンダイ社員がこそぎ落とした残りかすを集めて掃除する作業だけだった。そのうち現場で「やってみる?」といわれ、挑戦してみると予想以上の仕上がりに。少しずつむずかしいパーツなども手がけるようになり、いまではスタッフだけで作業を完結できるようになったのだという。バンダイナムコウィルでは今年度、業務と採用人数の拡大をすすめるために新たな3カ年計画を立てた。事業推進部でマネージャーを務める國くに吉よし由ゆ香かさんに話を聞いた。「障害者法定雇用率が2・2%に引き上げられ、今後も段階的に上がっていく見通しのなかで、現状の仕事の幅を広げる以外の新しい試みも必要ではないかという考えが背景にあります。組織は立ち上がったばかりですが、大きく三つの柱で具体的に検討していく予定です」一つめは「地方拠点での雇用」。地方展開しているアミューズメント施設での現地採用を進められるような体制づくりだ。これまでも宇都宮市などで実績はあるが、さらに本格的な事業として、大阪で準備をすすめている。地元の就労移行支援事業所と相談しながら採用スケジュールを立てている最中だ。二つめは「異業種との連携」。異業種の分野も視野に入れながら、障がい者向けの仕事をつくり出していけないか模索中だという。三つめは「テレワークの推進」。現在、身体障がいのあるスタッフに週2日の在宅勤務を試験的に行ってもらっている。テレワークで可能な業務を、どこまで増やせるかも検討中だ。「さまざまな事情で通勤が困難な人も働きやすい環境を整えることと、テレワークのための業務を創出することで、新たに専業で活躍できる人材を全国から広く採用していきたいと考えています」大企業ならではの組織力を活かして、ぜひ新たな成功事例をつくってもらいたい。ムが好きだと先生に話していたところ「いい会社があるよ」と紹介され、実習を受けて採用された。横浜方面から片道1時間半の電車通勤だが、「この会社で働けること自体うれしいですし、職場のみなさんも優しくて、毎日楽しく仕事をさせてもらっているなあと感じます」と笑顔で話す。パーツをつくり出している現場は、すぐ近くの別ビル内にある。巨大な3Dプリンターが2台。ほぼ24時間フル稼働で、1回あたり数時間から10時間以上もかかるパーツの造形を行っている。バンダイから送られてきた大量のパーツデータを、パソコン上で枠内に入れ込むのが、最も高度な作業だ。現在は3人のスタッフがこの3Dプリンター操作を行うことができる。川股さんは「空間認識能力を働かせてパーツの組合せを考えなければならず、私は習得するまで1年かかりました」と打ち明けるが、桜井さ桜井さんたちの指導にあたる川股伸也さん(上)3Dプリンターの作業を一人でするまでに成長した伊藤大樹さん事業推進部マネージャーの國吉由香さん地方拠点での雇用やテレワークも視野に

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