働く広場2018年10月号
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21働く広場 2018.10についても違和感は少なく、医療と支援さえ適切に行われれば雇用はそれほど困難ではない」と確信していたそうです。また、難病が進行性であっても違和感はなく、「工夫すれば、まだまだ働けますね」といった気軽さで取り組んできたそうです。ですが、その裏には「未来はわからない。それなら、いまを懸命に生きることを支援しましょう」という、青木さんの深い想いが経営理念に色濃く反映されています。青木さん自身も2004年に交通事故にあった頸髄損傷者ですが、当時勤めていた会社から転職後の2008年に、クオールグループが障害者雇用を開始。その後、特例子会社であるクオールアシストの設立からかかわってきたということです。難病などの重度障害者の在宅雇用に関する「新たな障害者雇用モデル」に挑戦し続けている青木さんに、在宅雇用を推進するためのさまざまな工夫をうかがいました。 (1)自己管理在宅雇用の大きな課題は、自宅におけに変える方法として、大きな希望を提供してくれるでしょう。難病の人たちの在宅雇用を先駆的に進めている事例を見てきました。「クオールアシスト株式会社」は、保険調剤薬局の全国チェーンである「クオール株式会社」の特例子会社として、2009(平成21)年2月に設立されました。現在、北海道から宮崎県まで44人の在宅社員がいますが、障害の種類は、脊せき髄ずい・頸けい髄ずい損傷系や脳疾患系だけでなく、特定疾患や特定疾患以外の難病の方も数多く在籍しています。事業内容は、グループ会社の事務代行、勤怠管理を含めたさまざまな入力業務、名刺作成を含めた多様なイラストデザイン、システム構築を含めたWeb制作などですが、社員の技術の向上とともに、次第にクリエイティブな仕事へと間口を広げてきています。クオールアシストは設立当初から、重度障害者の就業に立ちはだかる「壁」を取り除く方法として、在宅雇用を積極的に推進してきました。代表取締役社長の青木英えいさんにおうかがいすると、その背景には、「本社ではそもそも『“在宅”医療』の用語になじみがあるため『“在宅”雇用』21IT(情報技術)の発展はICT(情報伝達技術)を生み出してきています。これは、従来のコンピュータ単体による情報伝達の技術に留まらず、地域や社会にある多様なネットワークを活用していくところに大きな違いがあります。このことは、多面的なコミュニケーションを構築し労働環境を整備することで、移動が困難であったり、リハビリ・介護・通院などの理由で働けない人も、「テレワーク」によって在宅就業できる可能性を秘めています。つまり、「移動困難→通勤困難→就職困難」の連鎖を抱える難病や重度障害の人たちにとっては、「働けない」を「働ける」①地域の多様なネットワークを活用するICT(情報伝達技術)は、在宅雇用の  可能性を広げる②在宅雇用は、自己管理と家族や支援機関による生活支援が不可欠③ 在宅社員間の師弟関係によるOJTで人材育成POINTPOINTPOINTはじめにⅠ難病と在宅雇用Ⅱ雇用管理の在り方クオールアシスト株式会社代表取締役社長の青木英さん

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