働く広場2018年10月号
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23働く広場 2018.1023(5)生活支援と定着支援在宅雇用は、継続的な生活支援が不可欠です。在宅社員の障害や疾患の特性はさまざまであり、その進行具合も個人によって異なるので、在宅社員の体調管理と、難病や障害による不安を軽減するための生活支援の仕組みづくりは、在宅雇用を進める際に最も重要な課題となります。その場合、遠隔地の在宅社員については、本社が直接的に生活支援を行うことや、緊急時に直ただちに対応することは困難です。そのため、地元の支援センターとの緊密な連携により、在宅社員の生活上の課題について支援を行う体制を整えるとともに、本社へ連絡もしてもらっています。同時に、家族の変化についても把握しています。在宅社員に対する家族の支援体制が変化すると、在宅雇用の継続が困難となる可能性があります。支援センターが加わることで、家族の支援体制の立て直しも円滑に進み、危機的状況の予防や早期対応も可能となります。このように、定着支援に向けた取組みは、前述した体調の自己管理と変化があったときの報告・相談の徹底に加えて、地元の支援機関による定期的な家庭訪問による本人の体調や健康状態の把握、家情報を正確に理解し伝達する、的確なコミュニケーション能力の向上につながり、顧客と在宅社員間の直接的な交渉も可能になっていきます。(7)コミュニケーション在宅社員同士あるいは本社の社員と在宅社員は、通信回線で常時つながっていることで、同一社屋で勤務する場合と遜そん色しょくないくらい密な社内コミュニケーションができています。在宅雇用にありがちなコミュニケーション不足から生じる孤立感や不安感を抱かせないように、社内専用のホームページを運用し、社員限定のブログも開設しています。(8)連携地域の行政・福祉・企業・社員(家族も含まれます)が一体となったネットワークの形成は、難病などの重度障害のある人の在宅雇用には不可欠です。特に、支援センターからは人材確保だけでなく、在宅雇用の開始後も定期的に訪問してもらい、本人や家族の支援にあたってもらっています。遠隔地において、本社ではできない日常的な支援が担保される連携があってこそ、在宅雇用のシステムができているのです。難病などのある人の在宅雇用を目ざす「新たな障害者雇用モデル」は、こうした地域の社会資源をも巻き込んだICTを族の医療的ケアへの支援状況の変化などの情報を把握しながら実施しています。(6)人材育成すべての在宅社員は、スキルアップに向けた段階的な取組みとして、①本社における初任研修、②Web会議システムを使った在宅社員間によるOJTの開始、③遠隔(在宅社員間)OJTの「師弟関係」の構築、④師弟関係を通して、在宅勤務の心得・業務・スキルなどに関する研修、⑤「師匠」によるOJT修了の認定、といった系統的な育成体制をとっています。「遠隔(在宅社員間)OJTの﹃師弟関係﹄」において、「弟子」は「師匠」からマンツーマンによる指導を受けます。障害のある先輩社員からの指導は、初心者としての不安の軽減やスキルアップに有効であり、新入社員は自信を持って計画的に仕事に取り組むことができます。また、この師弟制度ができて6年ほどたちますが、「師匠」は優秀な技術を持ち、指導力のある在宅社員のなかから本社が指名します。「師匠」となった在宅社員は、社内において認められた存在であるとの自負心とともに、指導者としてのプレッシャーを抱えつつ、自身の業務支援スキルの向上と高品質の商品の制作に邁まい進しんしていきます。さらに、Web会議システムの活用は、

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