働く広場2018年10月号
27/36

25働く広場 2018.10「本人の働きたいという強い意志を確認したことで、環境さえ整えば十分に働けると判断し就職先を検討した結果、幸運にも『クオールアシスト』に出会えた」といいます。ここでの支援センターの役割は、会社や外部の方とのやり取り、マナーや社会性などのコミュニケーション支援や、余暇の過ごし方や食事、体調バランスの取り方といった日常生活全般の相談のほか、不安やストレスの軽減を図る精神面での相談など、きめ細かな支援を行います。クオールアシストの在宅社員である市村さんの場合、五味さんの役割は生活支援だけに限定しており、業務については厳しい情報管理を行っているため、一切関与しません。自宅に訪問した際は、五味さんから本社の管理部に生活状況を連絡したり、また管理部の方が市村さん宅を訪問した際には、五味さんと情報を共有しています。このように、地域の支援機関との強固な関係性が構築されていることが、重度障害者の在宅雇用を推進する大きな要因となっています。 地域や社会の多様なネットワークを活用するICTが在宅雇用を可能にした「新たな障害者雇用モデル」は、在宅社員の厳しい自己管理の能力、症状や体調の悪化や予防に焦点を当てた家族や地域の就労支援機関による生活支援、そして、社内の人材育成やコミュニケーション活性化をうながす雇用管理システム、これら三者を包括する雇用モデルといえるでしょう。青木さんは、難病などの重度障害の在宅社員に対しては、「人よりも寿命が短い可能性があるために、仕事を通して見える形として自分が生きた証を残しておいてもらいたい」との思いを語り続けています。「働きたいのに働けない」から「働けないはずが働ける」社会の仕組みづくりに挑戦し続けているのです。25当面の目標です。ただし青木さんは、現行の業務のほかにも、自分のやりたい仕事や資格取得に積極的に取り組むことを望んでいます。障害があってもキャリアが問われるいま、この時代の先駆者となってもらいたいと願っています。 こうした市村さんの日常生活を支える重要なキーパーソンとなっているのが、「社会福祉法人愛光園 知多地域障害者就業・生活支援センター ワーク」の就業支援担当者である五ご味み智さと子こさんです。 五味さんは、もともとは児童福祉が専門で、難病の子どもの生活支援にかかわった経験を経て、数年前に同センターに異動となり、市村さんの担当になりました。心疾患の人の就労支援は未経験だったため、就労支援計画の作成に向け何度も面談して、本人や家族との関係づくりから始めたそうです。体調の変調や回復の兆し、家族の支援の時期や状況などさまざまな情報を収集していくなかで、本人と周囲の環境や支援のあり方などを模索し、生活支援を基盤としてそこに就労を乗せるという視点で支援計画を立てました。おわりにⅣ障害者就業・生活支援センターの役割知多地域障害者就業・生活支援センター ワークの就業支援担当の五味智子さん久しぶりに市村さん宅を訪れ、仕事ぶりを見守る青木さん

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る