働く広場2018年10月号
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29働く広場 2018.10 難病患者が無理なく活躍できる仕事は、障害者求人にかぎらず、一般求人のデスクワークや短時間の仕事などにも多くあります。意欲があり適性のある労働者から「難病」であると開示されても過剰反応せず、コミュニケーションのきっかけとして受け止めることは、優れた人材の確保のための第一歩となっていました。「合理的配慮」とは、本人とよく話し合って、より働きやすく長く活躍してもらうための工夫や調整であり、「差別禁止」とは、本人の能力や経験、適性をまず確認し、職場の仲間としての公正な能力評価と処遇を行うという、企業にとって当然の対応であると受け止められていました。2 治療と仕事の両立支援 厚生労働省は、2016︵平成28︶年に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を作成し、「私傷病」とされてきた難病を含む慢性疾患について、患者の治療と仕事の両立を、産業保健職と職場が医療機関とも連携して支えていく方向性を明確にしています。仕事と治療の両立支援は、患者本人にとって必要なだけでなく、企業にとっても人材の定着と能力発揮のために、医療関係者にとっては効果的な治療をするために不可欠であり、多くの先進国では社会的課題として対応が行われるようになっています。2018年度からは、まず、がん患者に対する両立支援が医療機関での診療報酬の対象となり、職場での両立支援の啓発も本格化します。難病についても、今後、同じ枠大きな追い風が吹いていたのです。しかし、難病患者を雇用する企業も難病患者本人も、また地域の支援者も試行錯誤しながら取組んでいることが多いのが現状です。そのために実際の支援ニーズに対応できる雇用管理マニュアルが必要とされています。 「﹃難病﹄への先入観・偏見で優秀な人材の採用のチャンスを逃さないためにはどうすればよいか?」、「難病のある人に職業人として活躍して働き続けてもらうためのコストが少なく職場にも理解してもらいやすい方法にはどのようなものがあるか?」、さらに、「がんの治療と仕事の両立支援が全社的な課題として取り組まれる際に難病もあわせて対応できないか?」 「難病のある人の雇用管理マニュアル」は、以上のような企業ニーズに対応できるように、これまでの当センター研究部門での研究成果を再構成し、また全国の実際の雇用事例をふまえて作成しました。「雇用率にカウントされない人を障害者求人に紹介する」ことで、支援に困難性を感じている地域の関係分野の支援者におかれましても、企業や難病患者の真の支援ニーズに対応していけるよう、ぜひご活用ください。 マニュアルは当機構ホームページ(※)から無料でダウンロードいただけます。冊子が必要な場合など、左記にお問い合わせください。◇お問合せ先 研究企画部企画調整室 TEL:043ー297ー9067  E-mail : kikakubu@jeed.or.jp組みで両立支援が進められることが期待されています。 さらに、各地域では、難病相談支援センターや難病医療機関においても、難病患者本人の職業生活場面での疾患の自己管理や職場での対処スキルなども含め、医療・生活・就労の一体的な相談支援への取組みが始まっています。3 難病のある人の雇用管理マニュアル 障害者雇用率の算定対象にならないことで支援が難しいとみなされがちだった難病患者の就労支援ですが、実はより大きな枠組みで見ると※http://www.nivr.jeed.or.jp/research/kyouzai/kyouzai56.htmlJEED 難病 管理マニュアル 検索

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