働く広場2018年10月号
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3働く広場 2018.10多くの方が就職されていて、いま現在も順調に活躍されているように感じます。問題は、雇用する側の「精神・発達障害のある方たちへの誤解と理解不足」です。まだまだ私の耳に入る情報としては「勤怠が不安定」や「状況を理解することが苦手」などの声が多くあります。しかし、そうした企業の方たちにかぎって、きちんと障害を理解しておらず、実際に障害のある従業員が働く現場も見ていない方が多いという特徴があるように思います。弊社には、70人近い利用者が在籍しています。ほとんどが精神障害か発達障害のある方ですが、毎日元気に通ってくれています。私自身が実際に現場を見て感じたのは、勤怠が不安定になる要因は本人の障害特性によるものよりも、環境が未整備であることが大きく影響しているのではないかということです。障害者への理解が進み、だれもが働きやすい職場が増えてほしいと思います。賀村 研 (かむら けん) 1972(昭和47)年生まれ、愛媛県出身。1995(平成7)年、日本大学農獣医学部卒業、三菱建設株式会社に入社。その後、東京のITベンチャーや地方の中小企業勤務などを経て、2013年にA型事業所などを運営する株式会社カムラックを設立。 株式会社カムラック代表取締役、株式会社スーパーカムラック代表取締役、株式会社elseif取締役、一般社団法人中小企業事業推進機構理事。著書に『日本一元気な現場から学ぶ 積極的障がい者雇用のススメ』(NextPublishing)がある。株式会社カムラック http://www.comeluck.jp/く、ITを活用し、データ入力、ホームページ制作、デザインのほか、アプリケーションやソフトウェア開発など、幅広い業務を行っています。いまでは、利用者全員が週30時間以上の勤務で、かつ社会保険があるという理由で、利用を希望される方も少なくありません。このように、私たち残ったA型事業所は、A型事業本来の目的を果たすべく、きちんとした人材を育て社会に送りだす機能をまっとうしなければなりません。それだけA型事業所における今後の社会的役割は大きいのです。A型事業所が外部収入を上げていくにはA型事業所を継続的に運営していくには、事業としての経営基盤を整え、外部収入を増やすことが大事だと考えます。私は、他業界から就労支援事業に参入してきました。この業界は比較的、福祉経験者が障害のある方々のことを想い、「なんとかしたい」という気持ちから事業を開始されるケースが多いと見ています。ただ、福祉のことには強くても、「ビジネスや経営には弱い」という場合も多くあります。私のところにもたまに、たいへん熱い想いを持った方が「A型事業所を立ち上げたい」と相談に来られます。みなさんすばらしい想いを熱く語りますが、私が「強みのあるサービスや商品はありますか? 顧客はすでに存在していますか?」と聞くと、「ない」と答える場合も少なくありません。私は、そういう方には「考え直されたほうがよいかもしれません」とアドバイスします。今後求められ、成功すると思われるA型事業所は、すでに強みのある商品やサービス、既存顧客がしっかりと存在する事業者が、就労支援事業に参入するというパターンです。いまでは、CSR(企業の社会的責任)に積極的に取り組む企業も増えていますので、その方たちと一緒に事業をすれば、外部収入に軸足を置いた経営になることでしょう。経営に苦しんでいる、既存のA型事業所と協業することから始めるのもよいかもしれません。精神・発達障害者に対する企業の誤解と理解最後に、障害者雇用を進める側の企業の現状はどうなのか、私の見解を述べたいと思います。一般的に身体や知的障害のある方の雇用は、以前から進められてきた経緯もあり、これまで

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