働く広場2018年10月号
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7働く広場 2018.10トの試作品で、全国各地の玩具売り場などで見本用に展示してもらうそうだ。指示通りの試作品を納期までに揃えてくれるという評判が伝わり、注文がどんどん増えている。以前、発売前のペーパークラフトの試作を依頼された際は、みんなで話し合いながらつくり上げたという。少し離れた別のテーブルでは、1人黙々とカッターで紙を切っているスタッフがいた。大おお下した一いち太た郎ろうさん(27歳)だ。つくっていたのはお菓子などの商品のパッケージサンプル。余白部分を切り落とし、手際よく折って、のりづけして組み立てる。大下さんは「キャリア8年です。手先を使う仕事が好きなので、集中力が切れません」と、手を休めずに答えてくれた。特定の分野で秀でた能力を発揮しているスタッフは、ほかにもいる。聞いた言葉を一字一句もれなく文字起こしするのが得意なスタッフは、DVDの台せりふ詞起こし作業を任されている。またプラモデル制作が得意で、売り場展示用や品質検査用の作品を「このスタッフにつくってほし早退させてもらえるように、正岡さんから委託元に要望している。  三田本社の道路向かい側にある親会社の「バンダイナムコ未来研究所」ビル内にも事業所がある。ここではグループ会社内のメール便や郵便・宅配物の集荷・仕分け、外部への発送業務などを行っている。「〇〇の作業が終了しました」、「了解です」などと各担当が声に出して作業報告をし、周囲が呼応しながら確認していた。スピーディーに動き回っている様子が印象的だ。奥のデスク席で、はがき片手にパソコンを見つめる倉くら本もと翼つばささん(21歳)に、何をしているのか聞いたところ「外部からの郵便物を社員に間違えずに届けるために、どの部署に在籍しているかを確認しています」と説明してくれた。社内の人から問合せや依頼の電話も受ける。そのようい」と指名されているスタッフもいる。現場のまとめ役をつとめる事業支援チームの正まさ岡おか哲さとしさんに話を聞いた。「ここにはスタッフが30人います。彼らの輪のなかに入って会話を重ねながら特性や性格、得手不得手などを見極めて『この人にはどんな仕事が向いているのだろう』と考えます。もちろん、最初からうまくいくケースばかりではありません。あるスタッフは入社後の職場環境になじめず小さなトラブルもありましたが、違う業務に変えてみたら見違えるように改善し、仕事にも自信を持てるようになったようです。とにかく一人ひとり、よく見ることが大切だと思っています」現場では、だいたい1週間先までの業務内容とシフトを組み合わせて予定を組んでいる。委託元からの信頼も厚く、スタッフは事業所や倉庫などを毎日行き来するほどの忙しさだが、常に心がけているのは「安全第一」だ。電車を使ったり、場所によっては駅から歩くため、天候が荒れそうな日には、作業が残っていてもパラリンピック目ざす選手、みんなでフォロー工作キットの試作品づくり。売り場の展示見本となる手際よくカッターを使って作業する大下一太郎さんメール室で働く倉本翼さん。パラ陸上競技選手として活躍している事業支援チームの正岡哲さん

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