エルダー2017年10月号
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エルダー9特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」「新鮮市場きむら」の太田本店の外観型スーパー)の店舗を開設、書店を併設した斬新なスタイルが注目を浴びた。その後、生鮮食品を中心としたスーパーマーケット事業を展開、2001(平成13)年からは本格的なチェーン化を目ざし、現在は本社以外に香川県に15店舗、岡山県に5店舗を展開している。同社の特徴は、取り扱う商品のうち生鮮品の比率が同業他社の2倍という高い水準にあり、売り場も市場形式の鮮魚、青果売り場をメインとしていること。また、各店舗が直接仕入れる方式をとっているため、地域のニーズに合わせた品揃えを可能にしていることである。さらに、高齢化と後継者不足の悩みを抱える漁業の問題を解消するため、継続困難な魚市場を買い取り、市場の運営にも着手したことで、安価な仕入れや安定供給が可能になり、経験豊富な高齢従業員の活用も効果を発揮し、同社の売上高は右肩上がりとなっている。もない労働力人口が減少するなか、全国展開する大手の飲食チェーンやコンビニなどの出店により、同社が立地する地域は人材獲得競争が激しくなっていた。さらに、同社も事業拡大にともない店舗数を増やしていたため、従業員確保の問題に加え、従業員教育が追いつかない問題を抱えていた。そこで、同社は長年の経験や知識を蓄積している高齢従業員に注目して、人材確保と従業員教育の問題を一挙に解決するため、だれもが働きやすい雇用環境の整備に着手した。員を65歳まで再雇用していた。しかし、実際には本人に就労意思があるかぎり、会社はその希望を尊重して65歳以降も再雇用を行っていたため、規定で定めている再雇用の上限年齢を社長通知により事実上廃止して、運用実態に合わせ同社の60歳以上の従業員は290人で、全従業員に占める割合は26・7%にのぼる。その内訳は男性77人、女性213人と女性が圧倒的に多い。社員区分別でみると嘱託社員89人、パート従業員201人となっている。最高齢者は81歳の女性パート従業員で、レジと品出しを担当している。直近2年間で100人近い高齢従業員を雇用したため、従業員の平均年齢は高くなっている。同社が職場改善などの取組みを進めた背景には、人手不足の深刻化がある。少子高齢化の進展にと(1)制度に関する改善同社の制度に関する主な改善への取組みは3年前から始まった。◦再雇用制度の上限年齢の事実上の廃止 これまでは、60歳定年に到達した正規従業員を対象に、希望者全Ⅲ高齢化の状況、職場改善などの背景と進め方Ⅳ改善の内容

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