エルダー2017年10月号
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エルダー15特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」ガイドローラー」が提案され、安全性と作業効率化に大きな効果を生み出した。このほか、技術指導員をはじめ高齢従業員が若手を指導、高齢従業員のノウハウを学んだ20代の従業員の提案が製品化された事例もある。優秀な提案は元請け会社から表彰され、表彰数が仕事の受注にも好影響を与えていることから、同社の提案制度は従業員全体のモチベーション向上につながっている。(4)健康管理・安全衛生  日々の健康管理では血圧に着目し、60歳以上の高齢従業員には血圧測定を義務づけ、現場責任者に報告する体制を整えた。血圧に異常がないことを確認して作業を開始するため、安心して作業に専念できるようになった。70歳以上の高齢従業員は、健康診断結果および血圧測定の記録簿をもとに社長が本人と面接し、健康上問題点がないか、作業内容が妥当であるかなどの指示・助言を行っている。安全衛生については、高齢従業員の安全に関する指導力の向上を目的に、積極的に外部のセミナーなどに参加させている。また、高齢従業員の意見をもとに現場目線での安全管理に最重点をおき、チェックリストに基づいて安全管理者による定期的な安全パトロールを実施している。さらに、コミュニケーションと危機管理の一環から毎日の作業を現場から日報としてメールで本社主管部へ報告し、その作業内容を主管部長が精査し電話やメールで応答する「一声運動」を展開している。また、四半期ごとに「安全衛生管理計画書」に取りまとめ、年1回の定期安全大会において、全従業員、協力会社従業員へ説明し社内報である「七欧トピックス」で周知、共有化している。(5)高齢従業員の姿勢・現場の反応Aさん(74歳・男性)は、常勤の契約社員として週5日、1日平均8時間の勤務をこなしている。ネットワーク設備部の技術指導員として、マネジメントと技術力を活かして積極的に指導にあたる姿は若い世代の励みになっている。また、Bさん(63歳・男性)もAさんと同じ勤務形態であるが、技術指導員と現場班長を兼務し、指導力と現場力を惜しみなく発揮している。高齢従業員の位置づけと役割分担を明確化したことで、高齢従業員だけでなく若い世代も将来の展望が見え、会社全体の活性化につながっている。若手従業員からは現場作業において、きめ細かな指導を受けることで「自信をもって安全で効率的な仕事に取り組むことができるようになった」との声も上がっている。(6)今後の展望  現状では、まず63歳への定年の引上げを視野においている。次のステップは65歳への定年の引上げ、希望者全員を対象に70歳まで再雇用することについて取り組んでいきたいと考えている。すでに高い技術力を保有する高齢従業員がいきいき働き続けることができる職場環境を構築しつつあるが、次の時代をになう人材の育成が喫きっ緊きんの課題となっている。これまで高齢者雇用で取り組んできたことを客観的に評価したうえで問題点を明確にし、優先度をつけて積極的に取り組んでいくことにしている。若手従業員に指導する技術指導員Bさん(右)高齢従業員の作業チェックの様子

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