エルダー2017年10月号
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エルダー19特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」(4)新職場・職務の創出◦運転免許更新時の不合格者に対する職務創出高齢従業員のなかには、深しん視し力りょく(物事を立体的に視る力や遠近感)の衰えから、第二種運転免許の更新時に不合格となる乗務員がグループ全体で毎年1人程度みられる。同社では、不合格となった乗務員に対しても新たな活躍の場を用意するよう努めている。これまでの例として、営業所において運行管理者に代わって点呼などの業務を行う運行管理の補助者に不合格者を選任したことがあげられる。運行管理の補助者に選任されるためには、16時間の基礎講習を修了させる必要があるため、会社の費用で同講習を受講させている。◦職域の開発同社は健康で意欲と能力があれば、上限年齢なく働ける職場である環境を活かして、次の2つの職域開発を実施している。①透析患者送迎を行う医療機関 の拡大6年前に透析患者の送迎業務をスタートした。当初はタクシー乗務と兼業の乗務員5~6人がローテーションで行っていたが、患者へのきめ細やかな対応が求められることから、現在は1人の乗務員がほぼ専属となっている。接客経験が豊富で、きめ細やかな対応ができる高齢従業員が適任であるため、今後も、ノウハウを活かして送迎先の医療機関を拡大していく予定である。②軽自動車専門の中古車販売会社での職域の拡大5年前に日の丸タクシーグループが設立した軽自動車専門の中古車販売会社で高齢従業員の職域拡大を図りたいと考えている。現在、販売担当者が4人、自動車整備士兼洗車担当者が2人、事務担当者1人が働いているが、今後、健康状態に不安があるなどの理由でタクシー乗務を続けることが困難になった元乗務員を洗車や購入した自動車の引取りなどの業務にあてるなど、一層の高齢従業員の職域拡大が期待される。(5)従業員の声・反応Aさん(65歳・男性)は正社員で4勤2休の形態で乗務している。夕方6時から翌朝3時までのハードな勤務であるが、「かかりつけ医による健康管理と自己管理をきちんと行っている。健康なかぎり仕事を続けたい」と語る。また、Bさん(73歳・男性)は嘱託社員として朝9時から夕方5時までハンドルを握る。「きめ細かい健康管理で体調を維持している。元気なのは働いているからだと思っている」と語った。従業員からは「社長が常々会議の席で健康を話題にするので自己管理をきちんとする習慣がついた」、「乗務員への会社の気遣いを感じるので元気なうちは働き続けたい」などの声も上がっている。(6)今後の課題同社が現在課題と考えているのが、高齢乗務員の引退時期をいかに見極めるかである。そのため、点呼時など機会をとらえて各従業員の変化を的確に把握していきたいと考えている。健康状態に問題があることがわかった場合は本人と面談し、今後の身の振り方を相談することにしている。「健康管理を徹底し、明日もまた会社に来てがんばろう」を合言葉に、生涯現役を目ざして同社の挑戦が続く。勤務歴24年の乗務員Bさん(73歳)

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