エルダー2017年10月号
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2017.1026た、制度化していないが、75歳まで継続雇用している。◦賃金と勤務評価継続雇用後、フルタイムで働き続ける場合には継続雇用前と同水準の賃金が保証されるが、 継続雇用後、後述の「高齢者フレキシブル勤務制度」や「セカンドライフ勤務制度」に移行した場合には時給制としている。勤務評価としては、従業員は勤務形態や年齢にかかわらず、役職に応じて100点満点(5割が客観的基準、3割は社長、2割は同僚による)で評価を受ける。その際、高齢従業員だからと甘く評価することはなく、また、販売や運送などの裏方の職務によって査定が不公平にならないように万全の体制を構築している。(2)高齢者雇用モデルの開発と改善◦高齢者フレキシブル勤務制度2012年に制度化した「高齢者スポット勤務制度」により高齢従業員の体力の衰えに対応してきたが、65歳を超える高齢従業員にとっては4時間で制限されるよりは来客状況に合わせ勤務時間を調整できる方が仕事がしやすいとの声が上がった。そこで、従来の組織起点の勤務制度を見直し、個人起点の働き方として高齢従業員がその日の体調や店舗の来客状況により自ら勤務時間を決定できる「高齢者フレキシブル勤務制度」を新設した。高齢従業員の体力は一様ではないことから短時間勤務の定義を見直し、1日当たり「4~8時間の間で自由に選択できる」こととした。この制度の導入は高齢従業員の就業ニーズに応えるだけでなく、すべての従業員が長く働き続けられる展望を持つことを可能とし、モチベーション向上につながった。◦セカンドライフ勤務制度同社では、定年退職前に面談を行い、働き方の希望について聴取しており、そのなかで「まとまった自由な時間が必要」という希望を聴取した。これまでワーク・ライフ・バランス施策を利用し、先進的な高齢者雇用モデルの開発を進めてきた同社では、1日のなかの時間単位、あるいは1週の日にち単位で仕事とプライベートを両立させた勤務モデルを定着させてきたが、それ以外に月単位のまとまった休みがほしいと希望する声にも真しん摯しに向き合った。その結果、社長、総務、店長などからなるプロジェクトチームを発足させ、社長が高齢従業員にヒアリングを行い、繁忙期の3カ月または6カ月だけ勤務することができる「セカンドライフ勤務制度」を創設した。1年のうち3カ月間出勤する「クォーター勤務モデル」と6カ月間出勤する「ハーフ勤務モデル」がある。新たな勤務制度によって、高齢従業員のまとまった休暇を実現することができ、同社としても繁忙期の戦力として期待できる制度となった。高齢者フレキシブル勤務制度やセカンドライフ勤務制度は従業員本人の希望にあわせてこれらの雇用形態に移行することが可能であり、また、もとの働き方に戻すことも含めて変更が可能である。実際に当該制度を活用した従業員は1月から5月までは休暇を取り、繁忙期の6月から勤務を再開したが、特段の問題を感じずに勤務を再開することができた。◦高齢者版多能職制度同社はワーク・ライフ・バランスの導入企業として、残業時間10

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