エルダー2017年10月号
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エルダー27特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」時間以内と有給休暇取得率100%を2年連続で達成している。同社では、いつでも休暇が取れるよう専門職を設けずに、だれもがどのような作業でもできる「多能職制度」を定着させてきた。この制度によって、継続雇用を希望した高齢従業員もいままでどおり多能職を実践していくが、月単位のワーク・ライフ・バランスを導入することで勤務期間が限定されるため、時間を要する仕事とそうでない仕事の線引きが必要となってきた。そこで、セカンドライフ勤務制度のハーフモデルとクォーターモデルを選択した高齢従業員は受付から受注までに時間を要する墓石販売業務の担当から除外した。また、定期的にパソコンを操作することが必要な墓石設計業務も除外するなど、継続雇用を選択した高齢従業員の勤務特性に合わせた高齢者版多能職制度を制定した。これにより、ほかの従業員は、高齢従業員に任せることが可能な仕事が理解でき、高齢従業員も短期間に完結する作業に特化するため休暇開始時期を心配せずに顧客対応することが可能となった。◦顧客情報共有システム同社では高齢従業員の継続雇用促進などのため、かぎられた時間内で働く従業員について、その勤務形態が不利にならないように顧客情報共有システムを構築している。これは、高齢従業員の不在時に来店した顧客情報を常に共有できる仕組みであり、来店した顧客ごとに前回の商談内容や次回やるべきことなどが記載されているため、各種勤務制度を活用している高齢従業員が勤務時間のブランクがあっても問題なく対応できる。(3)従業員の声Aさん(66歳・女性)は、65歳の定年後は、趣味の絵画、農作業などにあてる時間を充実させるために退職を考えていたが、定年退職前の面談でその旨を申し出たところ、社長から「セカンドライフ勤務制度」の提案があり、自分の時間を確保できる新しい制度を利用して、継続して働くことにした。「12月で定年退職し、5月までの期間に趣味の絵を完成させることができました。家庭生活も充実し、繁忙期の6月に再度働き始めましたが、まったくブランクを感じません」とAさんは語る。Bさん(68歳・女性)は年3カ月勤務のクォーター勤務制度を活用し、1日あたり4~8時間、仏壇、仏具の店内販売を担当している。一度は退職したが、新制度によって職場復帰を果たした。豊富な知識と経験を活かし、意欲的に販売業務をこなしている。(4)今後の展望「組織起点の働き方」とは、社会の動きに合わせ仕事をこなす、いわば現役世代の働き方だが、「個人起点の働き方」は、人それぞれの生き方に沿って仕事や勤務時間を選択する働き方である。同社は「組織起点から個人起点」への変革を目ざし、さまざまな画期的な制度をつくりあげてきた。同社の「働き方改革」は、結果として生産性の向上にもつながっている。常に一歩先に視野を置く同社としては、今後80歳までの継続雇用制度を検討している。80歳まで働き続けることができる職場環境を整備し、必要な制度を開発することを同社は力強く宣言している。Aさんは、セカンドライフ勤務制度を活用して趣味の絵画制作に打ち込み、地域の展覧会で初入賞を果たした。商品販売を行うAさん

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