エルダー2017年10月号
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2017.1030歳時に本人に意向を確認、かつ60歳時に家族の同意も得られれば「シニア正社員」に登用される。給与水準は嘱託再雇用時より定年前給与に近くなり、賞与も支給される。なお、60歳以降の継続雇用の流れをフローチャート化しており、①定年後の再雇用を希望する者は、「再雇用に関する調査書」および「健康状態自己申告書」を事前に提出する、②所属長は希望者との面談により、「継続勤務援助計画書」を作成するなど、再雇用の流れを明確にし、円滑化を図っている。また、60歳の定年時での役職は解かず、50代での途中入社も多いことから、60歳以降の非正規雇用への変更者に対しても新たに役職を任命することで積極性・向上心を養うことができるよう任命基準を変更した。◦柔軟な勤務シフトの実現同社で全社員対象のアンケートを実施したところ、多くの従業員にとって高齢の親の介護が課題であることが判明したため、介護と仕事の両立に向け、柔軟な勤務シフト作成に向けた管理者向けセミナーを実施した。加えて、会社に相談窓口を設けることで、幅広く従業員の声を拾いあげ、働きやすい職場環境の構築を目ざしている。また、生涯現役に対するアンケートでは、年代によって差はあるものの、全体の62・5%が「必要とされるなら70歳まで働きたい」という声が上がった。(2)能力開発に関する改善同社に採用された運転士は前歴がさまざまであり、運転士としての経験がない従業員もいる。普通運転免許しか持たない運転士は、会社の免許支援制度により業務用の大型2種免許を取得する。そこで入社後3カ月間はまず集合研修を受け、その後2カ月間は先輩運転士が横についてOJTで訓練を重ねていく。運転士は、運転士→班長運転士→主任運転士と昇格し、技量を高めていくが、先輩運転士が指導にあたる場合、指導者ごとの指導法のバラツキを防ぐため、ベテラン運転士出身の運行管理者が指導法を伝授している。一方、高齢運転士について特別な教育はできていなかったことを反省し、事業内職業能力開発計画に基づき、高齢運転士を対象とした特別安全教育を実施している。また、社長自らキャリアコンサルタントの資格を取得して、キャリアコンサルティング制度を導入。従業員に生涯ライフプランを意識した職業生活における高齢運転士の立ち位置の理解を図った。キャリアコンサルティングを進めるなかで、「これまで以上に安心して働ける」という声も聞かれる。(3)職場環境の改善高齢運転士は、加齢による視機能の低下により、屋内車庫での運行前・運行後点検の際、異常個所が発見しにくく作業負担が過重になっていたので、車庫内の天井照明をLEDに変更した。車両ヘッドライトも改良型を搭載して夜間運転時の照度向上を確保した。職場環境の改善によって高齢運転士の身体的負担が軽減されると継続して就労できる展望が生まれ、雇用につながった。また、予算のなかで運転負荷の小さい新車両も導入し、運転士の負担軽減に努めている。一方、従業員全体の健康の維持促進の観点から、物置部屋を改修し、休憩室やトレーニングルームを開設した。横になっ新型車両は、車いす利用者も利用しやすく、かつ、ドライバーが安全・迅速に作業しやすいようなスロープを導入した新型車両(外観)。事故予防にあたり、運転席の座席が高めに設置(ドライバーの視点を高く)されている

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