エルダー2017年10月号
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エルダー31特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」て休める畳敷きスペースの休憩室は従業員に歓迎されている。さらに、運動機器の導入にあたり、従業員の要望から採用することで健康維持促進への意識を高めた。(4)健康管理・安全衛生60歳を超えた高齢従業員には正社員と同様の健康診断を受診させており、2016年度からは脳ドックや心疾患検査も実施している。加齢による運転能力低下が事故につながることは会社にとって致命的であるため、法定のチェック体制に加えて健康診断体制の強化を図っている。これまで健康管理の重要性については全体的に意識が低かったが、定期健康診断の法定項目以外の人間ドック並みの血液検査や大腸がん検査を短時間雇用の高齢従業員にも検査項目として拡大したことで、健康管理の認識が高まりつつある。同社は、2016年には協会けんぽの「わが社の健康宣言」登録事業所となった。主な取組み(健康宣言)として、休日明けは、そのほかの日に比べ交通事故が多いことから、休日明けに体重測定をすることを習慣化させ、休日明けであると意識することで安全運転への意識を高めるなど、日常の自己管理体制を整えている。安全面においては、高齢運転士が運転適性を診断して、各人が診断内容の記載事項をより把握するように、診断結果をもとに検討する場も設けている。お互いに相手の性格も知る同僚との話合いを通して、本人の自覚が高まる。また、親会社である神姫バスの安全監理官が直接指導することもある。さらに、神姫バスグループの安全運転大会にも同社の運転士が積極的に参加している。なお、以前から路線の利用動向・需要量調査などで交流のある兵庫県立大学の調査研究に協力し、2016年度は「健康起因による事故のリスク回避および高齢職業ドライバーのヘルスプロモーション」に関する共同研究を行っている。その結果を運転士にフィードバックし、安全運転に対する取組みを強化している。(5)従業員の声Aさん(69歳・男性)は契約社員の勤務形態で、バス運転士として月16日勤務している。運転技能が優秀で「優良バス運転者日本バス協会会長表彰」も受けており、バス運転士の運転技能向上に大きく貢献している。Bさん(78歳・男性)は運行管理者の補助者として1日3時間勤務している。バス出庫時の運転士の点呼を担当し、運転士がその日の業務を問題なく行える健康状態かをチェックするのが職務だが、バス運転士としての経験を活かし、現役運転士の指導も担当している。若い世代から相談を受ける機会も多く、現在同社の最高齢従業員のBさんは後輩の模範であり、全幅の信頼を得ている。(6)今後の展望高齢者雇用は、企業の社会的責任・CSRの一環であり、社会全体としてさらに積極的に取り組んでいく必要があると同社は考えている。70歳までの継続雇用制度はできたものの、雇用の安定性の観点からみれば、まだまだ問題があり、65歳までの定年延長を念頭に労使協議会において検討を進めている。健康で長く働き続けられるよりよい職場づくりを目ざして、同社は課題に果敢に挑んでいく。トレーニングルーム。トレーニング機器を導入し、休憩時間などのリフレッシュやコミュニケーションの場としても活用

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