エルダー2017年10月号
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高齢者に聞く第 回東京リーガルマインド株式会社専任講師風かぜ岡おか基もと博ひろさん42 風岡基博(69歳)さんは、55歳まで設計畑ひとすじに歩いてきた。定年後は技術者としての経験をフルに生かして若い人たちの技術指導に専念している。技術を伝承するだけでなく資格取得という向上心に寄り添って人材育成を目ざす風岡さんが「生涯現役」の心意気を語る。2017.1036私は愛知県名古屋市の生まれです。高校までは名古屋で過ごし、関西の大学に進学しました。工学部を卒業後、松下精工株式会社(現・パナソニックエコシステムズ株式会社)に入社、大阪本社で1カ月間の研修の後、神奈川県の藤沢工場に配属されました。以後、転勤などもありましたが拠点は藤沢で、55歳で退職するまで空調機器の設計にたずさわりました。当時は60歳定年でしたが、事業再編による希望退職に応えて、55歳で第二の人生をふみ出しました。退職を機に何か新しいことに挑戦してみたいと考えており、在職中に東京電力関連のプロジェクトを一緒にやっていた知人とともに有限会社を設立しました。しかし、知人の急逝によって会社経営は断念せざるを得ませんでした。退職から2年ほどは起業を含めさまざまなことにチャレンジ、米国にも行きました。結果としては失敗もありましたが、後悔はまったくありません。技術者には、実際に働くのに必要な資格というものがあり、私も段階的に資格取得に挑戦してきました。30代で「第三種電気主任技術者」、50代で「第一種電気工事士」の資格を得ました。その後、「建築物環境衛生管理技術者」の試験にも合格して、ビルの設備管理を行うには不可欠の資格が揃いました。  建築物環境衛生管理技術者はいわゆる「ビル管理士」といわれるもので、この資格と電気主任技術者の資格があれば、不況の時代にあっても就職の道が大きく開けます。私が69歳のいまも元気に働いていられるのは、資格のおかげです。若い人には、頭の柔軟なうちにさまざまな資格取得に挑戦することをおすすめします。起業がなかなかうまくいかず悩んでいたときに、資格取得の支援を行う東京リーガルマインド(以下LレックEC)が電気工事関係の講師を募集していることを知りました。さっそく試験を受けると即採用され、以来LECで10年以上講師として働かせてもらっています。いまから2年前には、派遣会社から大手設備管理会社での新入社員教育の仕事を紹介されました。新入社員が今後働いていくうえで必要な資格を取得するための講座を受け持っていますが、講座は4月に集中するため、LECの仕事を並行することも可能です。2つの仕事を掛け持ちしていますが、設備管理会社からはさまざまな情報を得る機会もあり、それぞれの仕事は補完しあっています。希望退職や起業の断念など、けっして平坦な道を歩いてきたわけではないが、どんな局面を迎えても、働き続けたいという強固な意思が揺らぐことはなかった。資格を生かせる道を模索

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