エルダー2017年10月号
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エルダー41河野さんには自動車検査員として長年つちかった経験を若い人に継承することも期待されていて、そこにもやりがいを感じているといいます。齊藤室長は、「車両の点検・整備は、乗務員から情報を得ることも大事な仕事です。河野さんは、自分から乗務員のところへ行ってコミュニケーションを図り、乗務員が情報を伝えやすい環境づくりもしています」と語り、ベテランの存在について次のようにも語りました。「当社の仕事は、ドライバーと車両の点検・整備を行う人、配車・日々の安全確保に努める人を中心にすべての部門が連携してはじめて成り立ちます。経験豊富なうえ、常に緊張感をもって仕事にあたるベテランの従業員は、なくてはならない存在であり、若い人がその姿勢から学ぶことも多く、大きな存在です」を機に働き方を見直しました。いまもフルタイム勤務ですが、役員を辞めて適度に休みもとりながら、以前よりゆとりのある働き方をさせてもらっています。私もこの会社が好きで、毎日出勤できることが生きがいになっています。若い人たちと話したりすることも楽しいんです」と笑顔で話します。健康管理に気をつかい、体によいとされる食べ物やサプリメントなどを取り入れているという橋本さん。「若い人の相談にのることも多く、当社にとってなくてはならない存在」(齊藤室長)だそうです。経験を買われて67歳で入社67歳で同社に入社した河こう野の実み則のりさん(70歳)は、以前は同社の取引先に勤務し、自動車検査員を務めていました。その会社を定年後、63歳まで継続雇用で働いたのち、3年ほど町内の活動の手伝いなどをしていましたが、同社から声がかかり、入社。現在、週3日の勤務で、車両の点検・整備を行っています。河野さんは「この会社のことはよく知っていましたし、車両整備という経験を活かせる仕事に誘ってもらいましたので、迷うことなく入社を決めました」と入社当時を振り返ります。高齢者を活かす職務開発に取り組む吉川アドバイザーは取材後、「3人の方々が、若い人へ親身になって仕事を教えているということもうかがい、自分の仕事にプライドをもっているから、人にやさしくなれるのだと感じました。同社には、居心地のよい雰囲気があります。高齢者雇用の制度が整っているのも、職場のコミュニケーションが上手くとれていることが土台となっているのでしょう」と語り、同社の今後について、「高齢者の特性をふまえたうえで、長年つちかった知識や技能が活かせる新たな仕事を開発することなどについてお話ししています」と語りました。齊藤室長は、「わかりやすくお話ししてくださるので、すっと頭に入ります。感謝しています」と吉川アドバイザーに返し、「高齢従業員を活かす職務開発については、倉庫内で行える梱包業務などを検討しています。今後新たな職務開発もすすめたいと思いますし、互いを思いやる風土も大切にしていきたい」と続けました。同社では「従業員が仕事を通して充実した人生が送れるような会社」を目ざしているといいます。高齢者にも、ほかの世代にも働きやすい職場づくりがさらに進むことでしょう。 (取材・増山美智子)タイヤや車両の状態を確認する河野さん

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