エルダー2017年10月号
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職場づくり職場づくり働ける職場づくりに職場づくり職場づくり働ける働けるで安全健康エルダー43①脚立関連の法令を遵守する 労働安全衛生規則第528条に、墜落等による危険の防止として脚立の規定があります。法令を遵守し、作業を行いましょう。②脚立起因災害は重篤災害になりやすいことを教育する脚立災害の主な流れを、図表2に示します。脚立上で作業中にバランスを崩したり、つまずいたり、滑ると、転落します。飛び降りて手足などを強打、骨折して1カ月以上の休業災害もしくは頭部を打つと死亡を含む重篤で悲惨な災害になります。脚立の高さが1・5mの場合、頭の床上高さは3・5m程度の高さになります。脚立作業では重篤災害になる危機意識を常に持つように指導しましょう。③脚立上でバランスを保つことはむずかしく、墜落危険を予知させるはしご等からの墜落・転落死亡者の8割強は保護帽を着用していませんでした(平成27年災害調査復命書集計)。墜落の危険を作業開始前に予知して、保護帽の正しい着用を行うよう指導します。高さ1m未満であっても着用します。労働安全衛生総合研究所の調査報告 ※2では、高齢者(50歳以上)の災害は全体の50%を超えています。「休業4日以上の労働者死傷病報告」(平成18年)から3万4195件(25・5%)を無作為抽出し、「脚立」を検索語句として選定すると、992件の脚立起因災害が抽出され、バランスを崩し、脚立上から転落して死亡した。【災害発生要因】①作業者の墜落や脚立の転倒を防止する措置が講じられていない脚立を使用した。②作業者が保護帽を着用していなかった。③安全な作業方法の検討および作業標準書の作成が行われていなかった。④安全な作業方法について、作業者への安全衛生教育が行われていなかった。【類似災害防止策検討時の留意点】(1)まず、脚立使用を回避できないかを検討します(可搬式作業台、手すり付き脚立、高所作業車など広い作業床面、踏みさん ※1を有する用具の検討)。(2)脚立使用を回避できない場合うち6件が死亡災害です。年間推計件数は3896件、死亡災害は24件と推計されます。死亡災害6件の被災者は55歳以上が5件と高齢者に集中しています。死亡した被災者の経験年数は3カ月以下が2人(2人とも60歳以上)、10〜20年が1人、20年以上が3人です。抽出事例の被災場所は脚立上での作業中に被災する割合が最多(70%)で、下り(19%)、上り(8%)です。狭い踏みさんに乗って作業中にバランスを崩して転落しています。図表3に年代別に「両眼を閉じて片足立ちでバランスを維持できる時間」を示します。個人差はありますが、年代によるバランス維持能力差は明白です。高齢者には一度この閉※1 踏みさん……脚立やはしごなどの足をかける部分※2 菅間敦、大西明宏「労働安全衛生研究」Vol.8, No 2,pp91-98 2015出典:正田 亘『五感の体操-心理学を活用したあたらしい安全運動技法』   学文社図表3 両眼を閉じて片足立ちでバランスを維持できる時間時間5秒以下6-10秒11-15秒16-20秒21-25秒25秒以上年齢60歳以上50歳代40歳代30歳代20歳代10歳代図表2 脚立起因災害の主な流れリスク出典:労働安全衛生総合研究所   「脚立からの転落災害の現状と防止対策の展望」脚立の上に立って作業中バランスを崩す、滑る、つまずく転 落骨折又は休業1月以上上肢または下肢を打つ重篤な傷害又は死亡頭部を打つ

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