エルダー2017年10月号
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エルダー51片桐実央(かたぎり・みお)行政書士、1級FP技能士。祖母の介護をきっかけに「ゆる起業®」を支援する、銀座セカンドライフ株式会社を2008年7月に設立。起業支援サービスを含むレンタルオフィス「アントレサロン」を銀座・東京・新宿・池袋・横浜・川崎・桜木町・武蔵小杉駅周辺に11店舗運営。講演は年間100回を超え、起業相談は累計7000件を超える。『50歳からの人生がもっと楽しくなる仕事カタログ』ほか著書多数。うものではありません。実現できるよう何度も検討を重ねる必要があります。3 有利な退職ができるとき 早期退職制度などを活用し、有利な条件で退職して、起業する方もいます。4 家族を説得できたとき 起業にはリスクがつきもの。家族の反対は珍しくありません。まずは、起業後の事業見通しを並べた「ライフプラン表」をつくり、家族と話し合いましょう。起業には家族のサポートが不可欠。しっかりと理解を得ておくことが必要です。5 資金面のめどがついたとき テスト販売で手応えを感じたときなど、起業後の売上げや収入が具体的に見えると、退職する決心がつきやすいようです。 また、金融機関の融資や行政の補助金申請が採択されるなど、資金調達ができそうな状況になって、ようやく決心できる方もいます。 人それぞれタイミングは異なりますが、それぞれの事情を考慮したうえで「決心したとき」が、「起業のタイミング」になるのだと思います。起業家の資質 私は起業の相談を受ける前に、以下の5つの項目をよく考えてもらうようにしています。一つでも当てはまるものがあれば、「起業家の資質がある」といえますので、ぜひ起業を考えていただきたいと思います。1 責任感がある 50代、60代では1人で起業するケースが多いです。仕事を請け負ったときに、最後まで仕事をやり遂げるということが最も必要な条件です。2 自律できる 起業すると人から指示されることはありません。自分で決断して進めなければならないことから、自律できることが大切です。3 夢がある サービスや商品を社会に広めたい、世の中に知ってもらいたいという願望を強く持つことは、起業家の資質があるといえます。4 自分の力を試したい 成功も失敗も自分次第。自分の行ったことが、直接結果につながるので、やりがいを感じられます。5 仕事を楽しむ 起業すると公私の境界は曖昧になることから、仕事を楽しむ姿勢が大切です。 「決断するのが苦手」という人は残念ながら、事業を成功させることはむずかしいでしょう。人に決めてもらったり、指示を受けたりするのでは、起業した意味がなくなります。 また、「飽きっぽい」という性格も起業ではマイナスです。事業は始めることより、続けることの方がむずかしいです。新しいものに挑戦する気持ちは大切ですが、一度始めた事業を継続する力も必要になってきます。 「会計や事務が苦手で起業できない」という悩みもよく聞きます。しかし、会計記帳代行会社や税理士などの専門家に依頼することもできるので、それを理由に起業を断念するのはもったいないと思います。また「起業したいが、財産を失うのが怖い」という相談も多いです。起業の規模を小さくして、身の丈に合った起業を目ざすことも考えましょう。さらに「事業が継続できるか」という不安ですが、事業計画書を作成・改訂し、課題やリスクを把握することで、事業開始後の状況変化にも柔軟に対応できるようになります。 いかがでしたでしょうか。6回にわたってシニア起業の特徴や傾向についてお話ししてきました。「起業」とは決して遠い世界のものではありません。悩んでいる方もいらっしゃると思いますが、今回の連載を参考に、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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