エルダー2017年10月号
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特集エルダー7平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」平成29年度高年齢者雇用開発コンテストの審査が終了し、審査委員を代表し、応募いただきましたすべての企業・団体の関係者のみなさまに、厚く御礼申し上げます。今回は全国から124編の応募を受け、厳正な審査の結果、厚生労働大臣表彰は、最優秀賞1編、優秀賞2編、特別賞3編、また、高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰は、24編が入賞を果たしました。最優秀賞を受賞した株式会社きむらは、創業110年を誇る生鮮品の小売業者です。人手不足対応として、豊富な経験を持つ高齢従業員を活用するための再雇用制度の見直しに着手しました。その結果、全従業員の26・7%を占める60歳以上の従業員が即戦力となり、生産性向上に貢献しています。また、60歳以降も従前の賃金が維持され、昇給もあることが高い勤労意欲につながっています。優秀賞を受賞した七なな欧おう通信興業株式会社は、高齢者の加齢にともなう能力低下を適切に評価しつつ、従来までの職業能力を活かした雇用を継続しています。高齢従業員の職務内容と整合性のある「納得のいく賃金額」を決定し、高齢者のモチベーションが上がっています。また、ジョブ・カードや職場改善マニュアルを活用し、職場の活性化にも取り組んでいます。同じく優秀賞の株式会社平和タクシーは、従業員の約9割を60歳以上が占めており、生涯現役を目ざす職場づくりのために徹底した健康管理体制を推進しています。安全目標を設定し、事故防止や車両管理に万全の態勢で臨み、高齢者でも高い運転能力が持続できることを証明したことが、評価のポイントとなりました。特別賞を受賞した一般財団法人市川市福祉公社は、市の外郭団体として設立後に民間業者として独立、経験豊かな中高年齢層が柔軟な働き方ができる勤務管理システムを導入し、365日24時間体制の訪問看護サービスを実現しました。また、チーフ・ヘルパー制度によって、介護技術だけでなく心遣いも伝承されています。同じく特別賞の株式会社お佛ぶつ壇だんのやまきは、勤務時間を店舗の来店状況に合わせた「高齢者フレキシブル勤務制度」の策定や、短期間勤務が可能な「セカンドライフ勤務制度」の導入で多様な勤務形態を創出。また、顧客情報共有システムなどの活用で高齢従業員の継続雇用を目ざしています。特別賞の株式会社ウエスト神しん姫きは、16人の従業員からスタートしたバス会社ですが、いまや201人(そのうち60歳以上は60人)を雇用しています。地域のニーズに応えたコミュニティバスの運行は、高齢者のみならず女性の雇用の場も拡大しました。また、高齢従業員にも人間ドックレベルの健康管理を実施しています。今回は、制度改善だけでなく、高齢従業員の能力に適した働き方であることを評価しました。高齢従業員自身が1年間で働く時期・期間を決められる制度などは革新的です。今後は、高齢従業員向けのこうした制度がモデルとなり、現役世代の働き方にも先例として好影響を与えていくことを期待しています。高齢従業員が活躍できる多様な勤務形態を評価法政大学社会学部教授 上かみ林ばやし千恵子審査委員長からのメッセージ

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