エルダー2017年11月号
11/68

エルダー9特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」年とした。これによって、従業員は安心して働くことができるようになった。何より「旧定年年齢に近づいても、以前のように有期労働契約で働き続けることへの不安を感じなくなったようです」と石川社長は定年延長が従業員の心にゆとりを生み出したと述べている。また、制度化はしていないが、75歳を過ぎても希望者には勤務の継続を認めている。現在の最高齢従業員は77歳である。る。もともと高齢従業員が多い職場だったため、後に述べるように2度にわたり定年を引き上げ、75歳定年に至っている。また、料理の煮に炊たきや食器洗いなど固定していた職務をローテーションで全員が経験できるようにし、多能化を図った。この多能化は従業員間の融和と各シフト内の結束を強めることに大きく貢献している。(1)制度に関する改善◦定年延長2007年の創業時、同社は65歳定年制をとっていた。同社は業態が影響してか高齢従業員が多かった。採用者は高齢であったため、65歳定年でもすぐに定年に到達する従業員が現れた。定年後に勤務を継続させると気兼ねする人もいたことから2009年2月には早くも70歳に定年を引き上げ、さらに2017年3月には75歳定同社は創業時から65歳定年でスタートした。性別、年齢を限定せず募集を行ったが、大衆食堂という業態で、メインの職務が調理ということから、応募は自然と高齢の女性が多く、現在、35人の従業員全員が女性である。現在の従業員の年齢構成は60~64歳6人(全体の17・1%)、65~69歳8人(同22・9%)、70歳以上7人(同20・0%)で、平均年齢は60歳強となっている。高齢女性従業員の強みについて石川社長は「まず、料理が好きで、料理の経験が豊富でないと務まりません。家事経験の豊富な高齢者は責任感が強い方も多く、欠勤も遅刻もないため、たいへんに頼りになります。私はコンビニも経営していましたが、責任感という点で高齢従業員の右に出る人はいません」と、全幅の信頼を寄せてい店内には豊富なメニューが24時間並ぶ大衆食堂半田屋西線南七条店の外観 半田屋西線南みなみ七しち条じょう店」では20人が働いている。2店舗ともに、24時間営業であり、朝番、中番、深夜番の3シフトを組んでいるが、シフト間の移動はせず、生活リズムが崩れないように配慮している。Ⅳ改善の内容Ⅲ高齢化の状況、職場改善などの背景と進め方

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る