エルダー2017年11月号
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エルダー13特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」が高まるばかりだという。さらに磯上社長は「国は65歳までの雇用の確保を打ち出していますが、建設業では、労働災害防止の観点から60歳を超えた作業員が現場作業に従事しにくい状況があります。高齢従業員の雇用の継続と安全の確保を両立すること、そして身につけた知識と経験を活かしてもらえる方法を考えることが、当社ばかりでなく建設業界全体の大きな課題になっています」といっそう引き締まった表情で自身の考えを述べる。これまで同社では「定年60歳。定年後は希望者全員を65歳まで継同社の従業員数は18人。そのうち、60~64歳が3人、65~69歳が2人と、60歳以上が約28%を占めている。平均年齢は48歳で、女性従業員は事務担当の2人のみ。業績が好調に推移するなか、同社でも新たな人材の採用を検討しているが、磯上社長は「求人を出しても、若い人の応募はほとんどありません。採用できても、1年もたたないうちに辞めてしまうのが現状です」と語る。このため、同社では、知識と経験を兼ね備えた高齢従業員の活躍に対する期待(1)制度に関する改善◦定年制と再雇用制度の見直しに、工事に必要な安全設備や資材・機材を専門にリースする会社として株式会社ディッグを2007年に設立。後述のとおり、ディッグは高齢従業員の受け皿としての役割もになうようになった。建物の重量を地中の支持層に伝達する杭を、地中深くに施工する大口径深礎工法磯上武章代表取締役忠武建基の設立は1995(平成7)年にさかのぼる。若いころから土木工事にたずさわってきた現社長の磯いそ上がみ武たけ章あき氏が独立・起業した建設会社である。「当社は設立以来20年にわたり、橋や道、建造物を支える基き礎そ杭くいの工事を主として手がけてきました。『掘る』、『固める』といった地道な作業が社会基盤の整備に結びついていることが大きな喜びであり、誇りでもあります」と磯上社長は事業の概要を説明する。現在同社では、高速道路や鉄道の橋きょう台だい(両端で橋を支える構築物)や橋きょう脚きゃく(橋の中間部分を支える脚)、鉄塔などの工事を主に手がけている。人力で掘削して土ど留どめを行い、コンクリートを打設する工法(深しん礎そ工法)で行う工事も珍しくなく、労働災害防止のために、安全教育・安全パトロール・安全な設備を徹底しているという。さらに磯上社長は、設立以来20年間かけてつちかってきた土木工事に関するノウハウを活かすためⅢ高齢化の状況、職場改善などの背景と進め方Ⅱ企業の沿革・事業内容Ⅳ改善の内容

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