エルダー2017年11月号
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2017.1114続雇用」する制度を導入していた。 しかし、建設業界の人材不足が深刻化して、知識と経験を兼ね備えた高齢従業員にこれまで以上に活躍してもらうことが必要になったため、2016年4月から「定年65歳。定年後は一定条件のもと継続雇用」する制度を就業規則に明記した。そして、健康面で問題がなく、本人に働く意欲がある場合は、上限年齢を定めずに継続雇用している。一連の制度の見直しについて磯上社長は「これまで以上に高齢従業員に活躍してもらい、特に優れた技術や技能を若手に伝承することが必要なので制度を見直しました。実際に高齢従業員には若手の育成に一役買ってもらっています」と話す。なお、60歳を超えた従業員が、現場のルールにより現場作業に従事できない場合は、作業全体を指揮する役割をになってもらっているという。◦「日給月給制」から「完全月給制」への移行建設業では、現在でも賃金の「日給月給制」が慣習化されているが、収入が安定しないこと、勤続日数を増やそうと休みをなかなか取ろうとしないこと、などのデメリットが指摘されている。同社ではこうしたデメリットを一掃するために、2016年8月から「完全月給制」に移行した。磯上社長は「収入が安定することは、人材の安定的な確保につながります。とりわけ休みを取りたがらない高齢従業員が、体調に配慮して年次有給休暇を取るようになったのが大きな成果です」と制度移行による効果を説明する。◦週間定例会議の活用同社の高齢従業員は、現場作業で重要な役割を果たしているが、会社の仕組みとして、長年の現場経験でつちかわれた知識と経験を活かす機会は設けていなかった。 そこで、毎週月曜日に各現場の進捗状況を確認するために開いている「週間定例会議」の際に、「現場からの要望」として高齢従業員からの提案を取りあげることにした。高齢従業員からの提案が形になったものの一例としては、『土木現場実用語ハンディブック・スペイン語版』(写真)の作成がある。 これはスペイン語を母語とする日系人が同社や同社の協力会社で働く機会が多く、片言の日本語では現場で必要になる技術的な用語の理解が進まないことから作成したもの。スペイン語を母語とする作業員に配布して好評を博している。(2)職場環境の改善◦関連会社の活用前述の通り、建設業の場合、現場のルールにより、60歳を超えた作業員が現場に入れないことが珍しくない。そこで60歳を超えても働き続けたい高齢従業員の要望に応えるために、2007年に設立した関連会社の株式会社ディッグにおいて、高齢従業員を受け入れる体制を整えた。ディッグでは、同社の高齢従業員が経験・技術・知識を活かして新しい資材や機材の開発にたずさわっており、ディッグで働く高齢従業員からは「高齢になっても安心して働くことができる」という声が上がっているという。(3)健康管理・安全衛生◦最新の安全衛生保護具の支給建設現場での仕事では、安全衛生保護具や装備の使用が法的に義急斜面上に構造物を建設する際に用いる竹割土留工法『土木現場実用語ハンディブック・スペイン語版』

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