エルダー2017年11月号
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エルダー15特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」務づけられているが、高齢従業員にとっては、保護具や装備の重量が体力的な面で負担となっていた。そこで同社では、高齢従業員に対するヒアリングを実施したうえで、なるべく軽量で性能も優れている、最新型の保護具と装備を支給することにした。また、装備に関しては、熱中症の予防に効果がある「空調服」(電動ファンが取りつけられた作業服)もいち早く導入している。◦定期健康診断を年2回実施従業員の健康管理の基本ともいえる定期健康診断は、1年に1回実施すれば法的に問題ないが、同社では「夏と冬」という季節の変わり目に2回の健康診断を実施している。磯上社長は「当社の仕事は健康な体で現場に出てもらうのが基本ですから、自分の健康に目を向けてもらう機会を増やすという意味で、年2回の健康診断を実施しています。年2回の健診を実施してからは、自身の体調を把握することで高齢従業員の健康管理意識も高まり、体調不良による欠勤者が減りました」とその効果を説明する。磯上社長が「現場のリーダーであり、知識と経験で当社を支える2人」と評する、高齢従業員からお話を聞いた。2人とも、正社員として週5日、フルタイムで勤務している。工事部課長の高田照てる雄おさん(69歳)は、勤続13年。現場では作業員をまとめ、作業工程の管理や発注者との交渉などを行う現場代理人を務めている。仕事について聞くと、「現場では、安全管理には特に気をつけています。また、若手への指導では、ミスなどがあってもただ叱るのではなく、どうしてミスが起きたのかをしっかりと教えることを意識しています。そうした現場での作業が発注者に認められたときなどは、この仕事を続けてきてよかったと感じます」と話す。また、健康や体力の維持について聞くと「仕事を続けることで健康でいられると感じます。そして、若手とコミュニケーションをとることが刺激になり、自分も若返るようです。体が動くうちは働いていたい」と力を込める。高田さんと同じく工事部課長の稲田武たけ三ぞうさん(69歳)は勤続17年。現場代理人であるとともに、重機のオペレーターも務めている。稲田さんは長年現場でつちかった経験から、安全で効率のよい機材のアイデアを提案し、「H形がた鋼こう水平ハンガー」※の実用化につながった。自身のアイデアが具体化したことに、稲田さんは「こうしたものがあればと考えていましたが、こんなに便利なものになるとは、提案した自分でも驚きました」と、笑顔で語る。そして、「一日一日をしっかりと働いてきました。これからも、いつ限界がきてもいいように、働けるかぎり働きたいと思います」H形鋼水平ハンガー同社を支える高田照雄さん(左)と稲田武三さん(右)と働き続けることへの強い意気込みを語ってくれた。※H形鋼水平ハンガー……深礎工事で土留めを構築する際に、その土留めの増強にH形鋼が用いられる。従来、H形鋼を設置するうえで、吊上げがむずかしく、人力の補助を要していた。同ハンガーはH形鋼を水平に吊り上げることができる吊り具Ⅴ高齢従業員の声

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