エルダー2017年11月号
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エルダー21特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」げた。定年引上げにあたっては当機構の高年齢者雇用アドバイザーによる制度面への相談援助もあり、短いスパンで制度面の整備に取り組めた。現在、90歳の最高齢職員を筆頭 一方、中途採用も積極的に行い、介護の知識や技能があれば年齢に関係なく採用する方針を貫いた。60歳以上の新規採用も実施し、60歳以上の職員は現在18人で全体の約14%、70歳以上の6人の職員もいきいきと働いている。その姿が若手を鼓舞しており、年齢にかかわりなく働ける職場の実現が経営理念の一つとなった。 また、介護業界は離職率が高いなか、「創業時に職員に苦労をかけたので、経営が安定したら賃金や処遇で還元していきたい」という同社の取組みが職員を励まし、高い定着率を誇っている。(1)制度に関する改善◦定年年齢の引上げと継続雇用制度の導入当初は60歳であった定年年齢を2006年に65歳に引き上げ、さらに2008年に70歳まで引き上同社の職員は129人で、慢性的な人手不足が続く介護業界にあって、20代、30代職員の割合が、全体の5割を占めている。その背景には創業以来、新卒採用に注力してきたことがある。設立当初のころ、介護関係の仕事は「大変な業務だが、人に喜ばれる仕事」として人気が高かった。 しかし、現社長は人気の陰りがやがて到来することを敏感に察知して、将来的に労働力不足となる危機感のもと、専門学校などから推薦や応募があるよう新卒採用におけるパイプの構築に努め、若年層の継続的な確保につながった。同社が運営するデイサービス施設、楠見第3介護センターすずらん外観たい」という強い思いから、前原社長とともに創業を果たした。前職時代に介護施設の基礎設計にたずさわった経験があるものの、前原社長は介護分野については、全くの素人であった。しかし、祖母の信念を支えるために介護事業にたずさわることを決意した。幸い2人の親族には福祉関連の仕事にたずさわっている人がおり、一定の情報を得ることができたが、資金面では苦難の連続であった。創業後はデイサービスを中心に事業を展開。利用者のニーズに応えるため、デイサービスの受入れ時間帯の延長を実施、県下初のナイトケア※に着手した。その後、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、通所介護、高齢者賃貸住宅など業容を拡大、きめ細やかな介護サービスの提供で地域に貢献している。※ナイトケア……在宅介護を受けている高齢者や障害者を、夜間のみ福祉施設で受け入れ介護を行うことⅣ改善の内容Ⅲ高齢化の状況、職場改善などの背景と進め方

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