エルダー2017年11月号
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2017.1122に70歳以上の高齢職員は6人在職していることから、今後、定年の廃止も視野に置いている。また、定年年齢の引上げにともない、継続雇用を99歳までとし、実質的に上限年齢を設けないことにした。ただし、明文化はしておらず、本人の希望や健康面を考慮したうえで有資格者を中心に再雇用している。創業以来、全職員が継続雇用されており、利用者からも「高齢職員は話しやすく、リラックスできる」という歓迎の声が上がっている。◦賃金制度の整備 継続雇用時の賃金は、本人が従前の業務に従事する強い意志があり、パフォーマンスを発揮できれば下がることはない。「年齢のみで賃金を下げるのは、職員のモチベーションを下げることになり、サービスの質の低下を招く」という考えのもと、定年後も賃金体系は変わることがない。また、正規職員は年2回、パートや定年後の再雇用者には年1回の昇給がある。◦退職金の整備 退職金については、企業型確定拠出年金制度を導入した。さらに希望者は個人年金保険にも加入でき、会社として一定額を月額補助している。働ける場所の提供だけではなく資金面からも生涯現役をバックアップしている。  ◦独自の評価制度の確立   同社では独自の評価制度として「キャリアパス」を導入している。具体的には、①どんな技術があるか(できるか)、②どんな資格を有しているかなどを年齢にかかわらず細かく決め、そのパフォーマンスに応じて賃金を決定している。また、施設ごとに管理職が独自の評価表を作成し、各職員は自己評価を行い管理職へ提出、その自己評価に評価・総評を付して各施設の管理職が社長へ報告するルートが整備されている。この評価は、正規職員のほかパート・再雇用者にも回数の差はあるものの、実施している。設立当初に十分な待遇を与えられなかったとの考えから、職員への恩返しの意味も込めた評価制度の整備は「しっかりと見てもらっている」と従業員からも好評で、昇給への反映がモチベーションの維持・向上につながっている。(2)高齢者の特性に応じた業務分担の構築同社では、採用時に希望する勤務日を本人から聴取し、それをベースにシフトを構築、業務分担を行っている。基本的には高齢職員も午前9時から午後6時の勤務であるが、業務分担として、本人の希望を考慮、体力をさほど要しない食事介助やトイレ誘導などに従事させている。また、フルタイム勤務であっても本人の体調により一時的に短時間勤務とするなどフレキシブルな勤務にも対応している。とりわけ食事介助では、若年者の場合、食事を口に運ぶペースが早くなりがちで、経験豊富な高齢職員の方が利用者に合った介助ができるため、適切な業務分担が行われている。また、現社長が食品・保険など系列会社の最高顧問に従事していることから、高齢職員より「介護関連に従事することはむずかしいが、長く働き続けたい」という希望が出れば、系列会社での調理業務などの道も準備されている。しかしながら、現在は全員を同社で食事介助では、高齢職員の経験が活かされ、利用者にストレスのないサービスを実現している

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