エルダー2017年11月号
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エルダー23特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」フルタイムで勤務する、最高齢者のAさん再雇用しており、異動の実績はまだない。(3)能力開発  同社では、介護関連の資格取得が基本であり、より高度な資格の取得を奨励している。現在ケアマネージャーの資格は約3割、介護福祉士の資格は約6割が取得している。資格所持についてはキャリアパスのなかで賃金に反映されることから、資格取得の勉強会を必要に応じて開催している。ケアマネージャー試験の場合、試験の9カ月前から、高齢職員をはじめとする有資格者が講師となり、後輩の資格取得のため、勉強会を開催している。同時にこの勉強会は、資格取得者における後輩育成への意識向上を図る格好の場ともなっている。また、テキストや資料を購入、試験前には模試も実施するなど、資格取得を全面的に後押ししている。こうした環境が多くの資格取得者を生み出し、資格取得によってキャリアアップし、評価が上がり、それがまた仕事に反映されるという好循環につながっている。一方、利用者へのより高いサービス提供の意識向上のためにも、年1回の筆記試験を実施し、管理職に対しても年1回の論文形式の試験を行っている。(4)職場環境づくり  高齢職員は、知識・経験が豊富で、働く姿勢そのものが利用者から好評を得ている。中高年・若年者層に対して手本となり、自然な人材育成が可能となっている。特に、働くうえで「どうすれば利用者に喜んでもらえるか」などの意識は若手職員が積極的に学んでいる。よりよい職場づくりにおいてはコミュニケーションが重要と考える同社では、社長自らが現場で職員の声を直接吸い上げている。また、何かを決定する際にはトップダウンではなく、まず職員の声を聞き、場合によってはアンケートを実施するなど風通しのよい環境づくりに注力している。(5)今後の課題近い将来、60歳を超える職員が続出することが予想され、同社としてもいま以上に柔軟な勤務形態や短時間勤務などが必要となってくる。現状では若年者の働き手も多いことから高齢職員の体力的なフォローは可能であるが、今後は若年者のモチベーション向上も考慮した労務管理が求められるだろう。働きたいと願う人がいきいき働くことができる職場づくりを目ざし、同社はさらに歩み続ける。最高齢者のAさん(90歳、女性)は嘱託職員として9時~18時(週40時間)のフルタイムで働いている。職務内容は食事介助やトイレの誘導などで、長年の看護・介護業務の豊かな経験によるきめ細やかな対応は利用者からも高い評価を受けている。「働けること自体が非常にうれしく毎日が充実している。体力を考慮して、食事介助やトイレ誘導などの業務にたずさわっているが、利用者に喜んでいただけるよう可能なかぎり働き続けたい」とAさんは笑顔で語る。Ⅴ高齢職員の声

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