エルダー2017年11月号
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2017.1126化につながった。なお、71歳以降は規定はないものの、運用により会社が必要と認めた高齢従業員は引続き再雇用を継続することが可能となっている。◦賃金制度の見直し同社では、60歳から65歳への定年引上げにともなう60歳以降の賃金減額などは行わず、賃金水準以外の人事管理においても60歳前の現役従業員と同一となっている。また、再雇用後の賃金は、従来は、一律の時給制で昇給もなかったが、定年時の賃金水準が再雇用時も維持されるほか、昇給も行うように見直した。昇給を決める際に必要な人事評価は再雇用者に対しても行われ、評価シートは現役従業員と同じものが使われている。◦柔軟な勤務形態の導入従来は定年後の嘱託社員の勤務形態は全員がフルタイム勤務だったが、従業員の安全を第一に考え、原則1日の勤務時間は6時間、1カ月の勤務日数は所定の日数とする「短時間勤務」や、1日の勤務時間は8時間、1カ月の勤務日数を原則15日間とする「短日勤務」を導入。高齢従業員の希望に沿った、勤務形態の選択を可能にした。さらに、介護などの家庭の事情や病気などで前記の勤務形態がむずかしい場合、個別に対応した勤務形態を設定している。一例をあげれば、脳梗塞を発症した61歳のドライバーの職場復帰を図るために、職種転換を実施したほか、勤務日数や勤務時間を快復の程度にあわせて柔軟に対応するなどの支援を行った。◦能力に見合った役職登用見直し前は定年を迎えた従業員は役職を継続しないこととしていた。また、65歳以降に採用された高齢従業員は高いスキルや専門的知識を有していても役職に任命はされなかった。しかし、高齢従業員の戦力化を図る方針のもと、高い能力を持つ高齢従業員は、必要に応じて役職に登用するよう見直しが図られた。◦永年勤続表彰制度の導入高齢従業員を含む従業員の定着を図り、長期勤務を促すために2016年に永年勤続表彰制度を導入した。勤続5年ごとの表彰とし、毎年4月に開催の「全体安全会議」に合わせて表彰式を実施、従業員のモチベーションアップにつながっている。(2)高齢者の特性に応じた業務改善安全第一が求められる運送事業において、加齢にともなう体力や注意力の低下は高齢従業員の戦力化を図る際の課題であったことから、高齢従業員が安心して働き続けられるように、高齢者の特性に応じた業務改善に着手。2017年に運送事業において長距離便から近距離便へのシフトを実施した。現在、運送業務の大半が県内の近距離便となったことで高齢ドライバーの負荷が小さくなり、安全面での不安が解消された。(3)新職場・新職務の創出高齢ドライバーの長距離便から近距離便への移行と同時に、ドライバー以外の職域の拡大に取り組み、2005年にはガソリン給油事業を開始した。高齢ドライバーは、給油、洗車、整備などの業務を担当、豊富な知識や技能が活かせる新しい職務が創出された。ただ「危険物取扱者」の資格が必要となるため、あわせて資格取得の支援も行っている。

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