エルダー2017年11月号
29/68

エルダー27特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」た。現在、同社の最高齢従業員として活躍するAさん︵72歳、男性︶は安全課長兼運行管理者として同社の運行管理システムの高度化を担当、運行管理業務全体のマネジメントを担当している。Aさんは大手物流会社で長年ドライバーと運行管理業務に従事していたが、定年退職後、65歳で同社に入社した。入社当初は嘱託社員として勤務していたが、同社は大手物流会社でのAさんの経験と能力を高く評価、安全課長に抜擢した。何事にも全力投球でパワフルなAさんの真しん摯しな勤務姿勢は若手従業員のよい手本となっている。Bさん︵68歳、男性︶はガソリン給油所で給油や洗車、整備などの業務に従事している。明るく社交的なBさんの存在は周囲を和ませ、高齢者の"新しい職場"であるガソリンスタンドで生涯現役を目ざす姿に励まされる従業員も多い。(4)職場環境の改善 同社では「風通しのよい職場づくり」を合言葉に職場環境の改善に努めている。コミュニケーションを重視し、経営者と従業員の間、従業員同士の意思疎通を図るため部署ごとに5~6人の班を編成し、定期的に意見交換を行っている。また、班の代表者が集まる「各班代表者会議」では班ごとに寄せられた現場の意見を集約し、「安全衛生委員会」や「安全対策会議」あるいは「経営会議」を通して現場の意見を経営側に伝える仕組みを構築してきた。その成果としては本社事務所の階段︵写真︶やトイレの改善があげられる。本社事務所の階段はらせん状の部分があり、高齢従業員にとって危険で、トイレも和式で使いにくい状況であったが、その改善要望が経営側に伝わったことで設備改善が実施された。また、倉庫作業での危険個所や危険作業についても、従業員の声を丁寧に取り上げ、職場改善の原動力となっている。(5)健康管理・安全衛生◦運行管理システムの高度化同社では、安全衛生の充実のために運行管理システムの高度化について取り組んできたが、その中心となったのは最高齢者の安全課長である。ドライバーが安全にトラックを運転するには日々の健康管理だけではなく、運転に集中できる環境整備が必要であるため、運行管理システムの高度化は喫緊の課題であった。具体的には、デジタルタコグラフ、ドライブレコーダーをトラックに搭載、データを確認して変化が見られた場合はドライバーに問い合わせて状況確認を実施している。また、これら映像などの状況から安全運転の度合いをA~Dランクに格付けしてAランクは5000円、Bランクは3000円の安全運転手当を毎月支給している。◦二次健診受診の徹底従業員の健康管理は、加齢により高まる疾病の発生リスクを早期に発見し、安全な運行を図るため、高齢従業員を含む全員が二次健診を受診するよう指導を徹底した。その結果、40代から60代の10人の社員にがんが発見されたため、当該社員に早期に治療させることでがんの進行を抑制することができ倉庫内部の様子階段をらせん状から直線的な階段に替えて、安全性を向上Ⅴ高齢従業員の声

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る