エルダー2017年11月号
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エルダー29特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」「生涯現役」で働ける仕組みとなっている。◦選択制の勤務形態を導入70歳以上の職員を対象に、時給月給制と日給月給制を選択できるパートタイムの勤務形態を導入している。この場合、各人のライフステージやワークライフバランスに合わせて働き方を個別に決めた務、休日も希望曜日がとりづらいという点があげられる。同法人においても若い世代や子育て世代の職員がなかなか土日に休めないでいた。あるいは、必要なときに必要な人員が投入できないケースもあり、人員の配置に少なからずムラやムリが生じていた。そこで、同法人は、「職員の働きやすさ」を大切にする職場づくりをめざして、中長期的な視点で包括的な就労環境の整備を継続的に行っている。(1)制度に関する改善◦定年制度龍口会は2015年に60歳定年から65歳に定年を引き上げ、継続雇用は、上限年齢のない希望者全員の再雇用制度を導入した。定年後も原則的には常勤フルタイムで、職務、職責、賃金、昇給制も変更しない。高齢職員にとっては、同法人では、60歳以上の高齢職員が全職員の4割を占めている。龍口会が事業所を構える串間市の高齢化率は約4割にのぼり、全国的にみても特に高齢化が進んでいる地域である。このため、地元で従業員を募集しても若い人材がなかなか集まりづらい状況にあった。また、福祉・介護サービス業は慢性的な人材不足を課題にしている業界でもある。業界の人員不足の要因として、一般的に老人ホームの運営は夜勤を含む交替制で勤た。あすか園は、設立時から、障害者の雇用機会の拡大と生きがいづくりを目ざしてきた。その一環として園芸部、木工部、縫製部を設け、障害者に必要な生活・作業訓練を行っている。園芸部では串間市の特産品である甘かん藷しょ(サツマイモ)やマンゴーなどを育て全国へ出荷。縫製部では草木染やバッグを、木工部では測量杭や危険杭を製作して県内で販売している。2012年には介護付き老人ホームを開設した。開園当初から入所する障害者の高齢化に合わせて、その受け皿を同法人が自らつくったかたちだ。現在は、障害者支援施設「あすか園」をはじめ、有料老人ホーム「幸せホームあすか」、共同生活援助・介護「グループホームあすか」、就労継続支援 A型事業所「SOLA」、就労継続支援B型事業所「大地ワーク作業所」、居宅支援事業所「介護センターあすか」、相談支援事業所「あすか」、葬祭事業「福祉葬愛あすか」の計8施設を串間市内で運営し、約150人に利用されている。障害者支援施設「あすか園」のエントランスに掲げられた理念。入居者から寄贈された障害者支援施設「あすか園」外観Ⅳ改善の内容Ⅲ高齢化の状況、職場改善などの背景と進め方

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